2017年、オハイオ州シンシナティで、当時8歳だった男児が自ら命を絶った。
男児を死に追いやったとされる「いじめ」を隠蔽したとして、両親はシンシナティ学区に対し訴訟を起こした。
学区は2021年6月、男児の両親と和解し、和解金300万ドル(約3億円)を支払うことに同意した。また、生徒からいじめの報告を受けたあと、学校がどう問題に介入していくか、調査方法などを改善していくことにも同意した。
一方、男児の死に対する直接の責任は認めておらず、今回の和解金はあくまでも「裁判継続の費用削減のため」としている。

2017年1月26日、オハイオ州シンシナティにあるカーソン小学校に通っていたガブリエル・テイ君(8歳)が、自ら命を絶った。
亡くなる2日前、ガブリエル君は他の児童らから暴力を受け、7分間の間、意識を失っていた。その様子は監視カメラに収められていたが、学校側はこの事実を両親に伝えていなかった。
両親はこの年、学校側がガブリエル君に対する暴力やいじめの事実を隠蔽し、その対応がガブリエル君を自殺に追い込んだとして訴訟を起こした。
学校側は、和解条件の一つとして、生徒からいじめの報告を受けた後の介入のあり方や調査方法などを改善していくことに同意した。
これから2年間、ガブリエル君の両親の弁護士が学区との面談を続け、条件の遵守を確認する予定だという。

両親の代理人は、「ガブリエル君の名誉のためにも、シンシナティの公立学校に通っている生徒、そして未来の生徒を今回の和解案で守っていきたい。今回の和解にあった変更点を根付かせ、いじめを撲滅できるよう、全力を尽くします」という声明を発表した。

おしゃれをして学校に行くのが大好きだったというガブリエル君。歌うことや踊ることが上手で、両親と釣りに行ったり、ゲームをするのも大好きだったという。
ガブリエル君の母親は、「トイレでの暴行について知っていたら、ガブリエル君を学校には行かせなかった」と起訴で主張した。
「ガブリエル君の両親は、彼の死から4年間もの間、懸命に戦ってきました。私たちは彼らの強さを尊敬します」と両親の弁護士は語った。
ガブリエル君の母親コルネリアさんは、息子であるゲイブ君を出産するまで、「自分がこんなに誰かを愛せることができるとは知らなかった」と話している。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン