「サントリー天然水」の新しいペットボトル容器が4月5日に発表され、俳優の芦田愛菜さんとミュージシャンの布袋寅泰さんがCMを担当しました。
CMで、いとも簡単に軽々と折りたたまれる、大きな2リットルのペットボトル。
決して芦田さんの握力が強い……というわけではなく……。
この新しいペットボトル、「折りたたむ」ことができるんです。
サントリー食品インターナショナルが、折りたためるペットボトルを開発した背景には、リサイクルに関わる大切な理由がありました。
どうしたらもっと分別・リサイクルがしやすくなる?考えた結果…
最近では、マイボトルを持参したり、家庭でも浄水器を使ったりと、環境を意識してペットボトル入り飲料を買わないことを心掛ける人も増えています。
一方で、2リットルサイズのペットボトル飲料水は、災害用の備蓄などにも用いられる商品。
各飲料メーカーは近年、使用済みボトルのリサイクルや環境負荷が少ないペットボトルの開発などに力を入れています。
今回、発表された容器は、6分の1のサイズまで折りたたむことができます。
いかに家庭での分別・リサイクルを促すかと考えたときに、「回収日まで家の中でかさばる」といった不満の声があったため、小さく折りたたむことで省スペースにつなげることを実現しました。
このボトルは、今月上旬販売分の「サントリー天然水」から順次、導入されます。
ペットボトルの分別では、キャップやラベルをはがす作業も大切ですが、たたむ工程でその作業も必要になってきます。
また、ペットボトルの回収業者にとっても、回収量が少なくなるため、効率や運搬時のCO2削減にもつながります。
リサイクル業者にとっても、保管場所の省スペース、キャップやラベルがないボトルが回収でき、リサイクルがしやすくなるといいます。
たためるボトルの開発、「折り紙」に着想
サントリー食品インターナショナルの広報担当者によると、この折りたためるボトルの開発期間は約2年で、試作容器は約70形状にものぼります。
「どうすれば簡単に、たたみやすくできるか?」と、ボトルの形を追求した開発担当者は、折り紙に着想を得ました。
子どもと行った図書館で見つけた「折り紙工学」の本がヒントとなったといいます。
たたみ方は、まずはボトルの真ん中をつぶし、タテに2つ折りに。底部を押しつぶして平らにしたら、「首」部分を折り曲げて完成です。
折り紙のように、ボトルには「ヤマ折り線」や「★マーク」がつけられています。
CM撮影時に初めてペットボトルの折り畳みに挑戦した芦田さんは、「おー!」「すごい!こんなに小さくなるんだ」と驚きの声をあげていたといいます。
「ペットボトルはゴミではない」
これまでも、ペットボトルのリサイクル技術の向上に力を入れてきたサントリー。
昨年2月には、リサイクル素材か植物由来素材のみを使ったペットボトルの割合を、国内販売で今年中に50%まで引き上げることを目指すと発表しました。
2030年までには100%にし、ペットボトルを作る際に「化石由来原料の新規使用をゼロにする」ことを目標としています。
「ペットボトルはゴミではない」とし、使用後も新しいペットボトルにリサイクルする「資源」だとして、分別の協力を呼びかけています。
サントリー天然水のボトルに関しても、ボトルやラベル、キャップの軽量化などでのプラ削減に取り組んできました。
2019年3月には、植物由来原料を100%使用したキャップをサントリー天然水550mlペットボトルに導入。
今年4月からは、植物由来原料を30%使用したペットボトルをサントリー天然水2リットルペットボトルに導入しています。