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ワクチン職域接種で政府、妊婦さんを「一律に対象外とすることなく適切な対応を」と企業に呼びかけ

新型コロナワクチンの職域接種で一部、妊娠中の女性が「対象外」とされている問題について、政府は「一律に対象外とすることなく、接種を希望する方への適切な対応を」と呼びかけました。

新型コロナワクチンの職域接種で一部、妊娠中の女性が接種の「対象外」とされている問題が起きている。

それを受け政府は、職域接種を実施している企業などに対し「妊娠中の方などについて一律に対象外とすることなく、接種を希望する方への適切な対応を」と呼びかけた。

内閣官房と厚生労働省予防接種室は8月5日、ワクチンの職域接種を実施中・希望している企業などに対してメールで、妊娠中の女性を一律に対象外としないよう求めた。

内閣官房のワクチン担当者はBuzzFeed Newsの取材に「一部の企業で妊婦さんを職域接種の対象外にしているという情報がありました。そのような情報をふまえて、対象外としないようによびかけました」と説明した。

メールは、職域接種に申請したすべての企業などに送られた。

メールでは、「妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方を接種対象外としている会場もあると聞いておりますが、ワクチンを接種することはできます」とした上で、以下のように指摘した。

《妊娠中の方への接種については、妊娠への悪影響は示唆されていないものの、安全性に関するデータが限られていることから、新型コロナワクチンの対象者に適用される接種への努力義務は、妊娠中の方には適用されておりません。こうしたことも踏まえ、そうした方には、接種のメリットとデメリットをよく検討し、予診医と相談の上、接種を判断していただくようお願いしているところです》

《職域接種会場においても、妊娠中の方などについて、一律に対象外とすることなく、接種を希望する方への適切な対応をお願いいたします》

さらに、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会が合同で発表した、妊産婦に向けたコロナワクチン接種についてのお知らせを紹介し、こう呼びかけた。

《既に多くの接種経験のある海外の妊婦に対するワクチン接種に関する情報に基づき、妊娠中の方もワクチンを接種することができるとしています。職域接種会場においても、これらに沿って対応をお願いいたします》

学会によるお知らせでは、「すでに多くの接種経験のある海外の妊婦に対するワクチン接種に関する情報では、妊娠初期を含め妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守るとされています」と説明している。

「妊娠されている方にもワクチンの接種を」河野大臣

コロナワクチン担当の河野大臣はこのメールを、自身のブログにも掲載

ブログをTwitterでシェアし、「8月5日の通知です。具体的な会場がわかれば注意喚起します」と綴った。

また、河野大臣は8月10日の会見で、妊婦が対象外となっているケースに言及し、以下のように話した。

「特に妊娠されている方がワクチンを打てないということはありませんので、全ての職域接種の会場に対して、それ(対象外にすること)は望ましくないということをご連絡しました」

「しっかりと、妊娠されている方にもワクチンの接種を職域会場でもお願いしたいというふうに思っています」

妊娠中の女性が接種を断られている状況については、職域接種を受けようとした女性がBuzzFeed Newsに対し、こう話していた

「(職域接種の)会場へ向かい医師の問診を受けた際、『妊娠中の方への接種は行っておりません』と言われました。なぜかと聞くと『接種を委託されている病院の方針で、妊娠中の方への接種は見送ることになっているため』『何かあった時に責任がとれないから』と言われました」

「妊娠しているという前に、私もフルタイムで働く一人の人間なので、妊娠を理由に接種から疎外されたことに納得がいきませんでした」