コミュニケーションの方法が180度変わった「日本初」のスタバとは

    スターバックスが6月27日、東京都国立市に、手話を主なコミュニケーションの方法とする店舗をオープンします。

    スターバックスコーヒージャパンが2020年6月27日、日本では初めてとなる、手話が共通言語の店舗をオープンします。

    聴覚に障害のある従業員を中心に、手話を主なコミュニケーションの方法として使用し、店舗を運営します。

    店舗がオープンするのは、東京都の国立市。この場所が選ばれた理由は、「付近にろう学校があり、ろう文化に関して理解のある地域であると考えたため」。

    スターバックスは、同店舗オープンで「聴者と聴覚に障がいのあるパートナーが共に働き、多様な人々が自分らしく過ごし活躍できる居場所の実現を目指す」としています。

    同社広報の山田朱香さんはBuzzFeed Newsの取材に対し、「来ていただくことで、何か新しい気づきがあるような店舗になれば」と話します。

    山田さんは同店舗開店の準備が進む中で、この様にも述べました。

    「世間では『話すこと』が主なコミュニケーションの手段となっている中で、この店舗の共通言語は手話です。手話の他に動きを見る、表情を見るといった『話す』以外の機会に触れていただくことで、言葉だけでなくても繋がれる、理解できるということを伝えられればと思います」

    世界で5店舗目の「サイニング・ストア」

    手話は英語で「Sign language(サイン・ランゲージ)」なことから、手話を共通言語とする店舗は「サイニング・ストア」と呼ばれています。

    実は、スターバックスはこれまでに世界で「サイニング・ストア」を4店舗オープンしています。

    手話が共通言語の第一店舗は、マレーシアのクアラルンプールで2016年にオープン。アメリカではワシントンD.C.に2018年10月にできました。

    ワシントンD.C.の店舗の近くには、聴覚障害者教育で有名なギャローデット大学があり、同店舗では従業員全員が手話での対応が可能です。

    他にも、2019年5月には中国・広州、同年11月にはマレーシア・ペナンでサイニング・ストアをオープンしています。

    マレーシアのペナンにあるサイニング・ストアの店舗入り口には、おなじみの「STARBUCKS」のアルファベットの上に、手話で表した看板も。

    店舗では開店記念に、基本的な手話を学ぶワークショップなども開催されました。

    看板と同様に、手話でSTARBUCKSと表された、プリペイドの「スターバックスカード」やキーホルダー、マグカップなども販売され、ネット上では「可愛い!」と話題になりました。

    スターバックスは、「先入観や思い込み、偏見を持たず、人種、年齢、性別、役割や雇用形態、障がいの有無、個人の価値観などの違いを超えてすべての人を温かく迎え入れ、認め合い、そして一人ひとりが自分らしくいられる社会の実現を目指す」としています。

    その実現のためにも、聴覚に障害がある人もない人も共に働き、従業員や客として接する場を作っているということです。

    日本初となるサイニングストアは6月27日(土)午前10時、東京都国立市のnonowa国立にオープンします。

    UPDATE

    オープンの日時を追記しました。

    サムネイル:Starbucks, SAUL LOEB / AFP=時事