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消毒液ついた手をなめた保育園児が一時意識不明に。消費者庁が呼びかける対策は

保育園に設置されていたアルコール消毒液を口にした保育園児が救急搬送されました。誤飲などの事故を防ぐには? 消費者庁が呼びかけている対策を紹介します。

島根県雲南市で3月、市立保育園に設置されていたアルコール消毒液を口にした5歳の女児が、病院に搬送されました。

雲南市によると、女児は保育園で消毒液がついた手をなめてしまい、その後「目がぐるぐるする」と訴え始め、一時、意識不明となりました。

このような事故を、どう防げばいいのでしょうか。

消費者庁が、対策を呼びかけています。

雲南市はBuzzFeed Newsの取材に、女児のクラスで当時、子どもたちが自主的に消毒できるようプッシュ型のアルコール消毒液を設置していたと説明します。

女児は消毒液がついた手を口にしたことで具合が悪くなり、保護者に連れられて病院に向かいました。しかし、症状がさらに悪化したため、大きな病院に救急搬送されたといいます。

女児は一時、意識を失ったものの回復。報道等によると、急性アルコール中毒と診断されたといいます。

子どもの消毒液の使用、何に気をつければいい?

消費者庁は、子どもの消毒剤・除菌剤の誤飲や眼に入る事故を防ぐため、4つの点を呼びかけています。

1 消毒剤・除菌剤は、使用方法、有効成分、濃度、使用期限などを確認し、情報が不十分な場合には使用を控える。

2 家庭では、消毒剤や除菌剤は子どもの手の届かないところに保管

3 携帯用の容器で持ち歩く場合は、幼い子どもが簡単に取り出せないように、かばんの中にしまうなどの工夫をする

4 設置型の消毒液ディスペンサーは、子どもが近づかないように注意。特に自動で薬液が噴霧されるタイプのものは子どもが興味本位で触らないように言い聞かせる。使用する際は、そばに人がいないことを確かめ、噴射方向を確認してから使用する

【消毒剤・除菌剤の誤飲や目に入る事故の発生が続いています!】成分や量によっては誤飲により中毒症状が出たり、目や皮膚に付いて炎症を起こすことがあります。使用や保管の際の取扱いにご留意を! 店舗等に設置された消毒液は子どもの顔にかからないよう、噴射方向を確認! https://t.co/DadxMf4BW7

Twitter: @caa_kodomo

雲南市でも対策。「消毒の際は職員が必ず監督」

雲南市の担当者は取材に対し、消費者庁の注意喚起をベースに、市内の保育園や幼稚園に対策を呼びかけたと説明しました。

市では、以下の点に取り組んでいます。

・これまでは5歳児などのクラスでは、食事前などに子どもたちが自主的に消毒できるようにしていたが、現在は、消毒の際は職員が必ず監督するよう呼びかけ

・消毒剤や除菌剤などは、濃度や使用期限などをきちんと把握し、確かなものか確認して使用

・設置型のディスペンサーの消毒液などは、子どもが興味をもって触ってしまうため、子どもの手の届かないところに置く 

・手を消毒した後も、誤って口に入れないよう、注意する

消費者庁によると、アルコール消毒液をめぐる子どもの誤飲や目に入る事故では、以下のようなケースが報告されています。

《外出先で人と会って話していた。ふと子ども(1歳)を見ると除菌剤のボトルと蓋を手に持って苦そうな顔をしていた。飲んだ量は分からなかったが、通院が必要となった。ボトルは電話機の後ろの目につかない場所にあったが、子どもの目の高さくらいで手が届いた》

《携帯用の容器に詰め替えて使用していた除菌アルコールジェルが30ml程度減っていた。子ども(2歳)が保護者に抱きついた際、口からアルコール臭がしたため誤飲を疑い、救急外来を受診した。検査をして異常はなかったものの、点滴を行った。その後、自宅にて経過観察となった》

《店舗のスタンド型のアルコール消毒剤で保護者が消毒した際、近くにいた子ども(2歳)が突然「目が痛い」と言った。その場でタオルで拭いたが、その後再び目を痛がったため受診した。特に異常はなかった》

消費者庁は、「成分や量によっては、誤飲するとひどい中毒症状が出ることがあります」「病院を受診するかなど判断に迷った場合は、中毒110番に相談することもできます」と説明しています。

<公益財団法人「日本中毒情報センター」の一般向け中毒110番電話サービス

大阪中毒110番(365日 24時間対応)072-727-2499

つくば中毒110番(365日 9時~21時対応)029-852-9999