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妊婦さんがコロナワクチンを打てるように。政府が自治体に優先的な接種や配慮を呼びかけ

コロナワクチンの接種を希望する妊婦さんが早期に接種できるように、政府が自治体に、配慮や優先的な接種を呼びかけました。

厚労省は各自治体に対し8月23日、新型コロナウイルスワクチンの接種を希望する妊婦が早期に受けられるよう、配慮や優先的な接種を呼びかけました。

千葉県ではこのほど、新型コロナに感染し自宅療養をしていた8ヶ月の妊婦の緊急搬送先が見つからず、自宅で出産後、新生児が亡くなるという事態も発生しました。

厚労省は「妊娠中の者及び配偶者等が希望する場合には、できるだけ早期に、円滑に新型コロナワクチンの接種を受けることができるように」としています。

厚労省は、自治体に向けた連絡の中で、妊娠中の女性や配偶者などパートナーが早期にコロナワクチンを接種できるよう、以下のような対策の例をあげています。

・ワクチン予約時、または予約のキャンセル待ちで、妊婦とそのパートナーを可能な範囲で優先する

・現時点で妊婦とそのパートナーが、年齢などを理由に接種予約の対象となっていない場合は、接種予約の対象とする

妊婦へのワクチン接種をめぐっては、「不妊になる」「卵巣に蓄積する」「流産する」「先天的な異常につながる」などという誤情報も拡散しています。

厚労省は呼びかけで、「日本で承認されている新型コロナワクチンが、妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません」とし、上記のような噂や誤情報の内容を否定しました。

日本産科婦人科学会などが8月14日に発表した「妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします」とする声明にも言及し、配慮を呼びかけました。

各地では妊婦に優先的に接種する動きも広がっています。

千葉県船橋市、神奈川県秦野市伊勢原市愛知県、岐阜県各務原市、大阪府寝屋川市などが、妊婦の優先接種を行うと発表しました。

また、厚生労働省は8月上旬、妊娠中の女性のコロナワクチン接種について、接種時期をめぐる見解を変更。厚労省ウェブサイトのワクチンに関するQ&Aのページでの記載を変更しました。

自治体への呼びかけでは、記載が変更されたことも説明しています。

Q&Aのページでは、以前は「妊娠12週までは接種を避けていただく」と記載していましたが、現在は、こう説明しています。

《「産婦人科の関係学会は、妊娠中の時期を問わずmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンの接種を推奨しています」》

《米国における副反応調査結果から妊娠20週以前にワクチンを接種しても流産のリスクは上がらないとしています》

また、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の人も「ワクチンを接種できます」「予防接種法に基づいて、接種をお勧めしています」とし、以下のように続けました。

《妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、特に妊娠後期は、重症化しやすいとされています。特に人口当たりの感染者が多い地域の方、感染リスクが高い医療従事者、糖尿病、高血圧など基礎疾患を合併している方は、ぜひ接種を検討ください》

《なお、妊婦が感染する場合の約8割は、夫やパートナーからの感染と報告されています。妊婦の夫またはパートナーの方が、ワクチンを接種することで妊婦を守ることにもつながります。ぜひ、接種をお願いいたします》