《ノリノリでキレキレのくまモン好きすぎる》《いよいよボリウッドデビューか?》
そんなコメントがついた、熊本県のゆるキャラ「くまモン」の新しい動画。
ヒンディー語の歌に合わせて、インド人ダンサーたちと軽快に踊っています。
しかし、なぜインド人ダンサーたちと…?
そこには、動画が作られた深いワケがありました。
なぜインド人ダンサーたちとコラボを…?
動画にまず登場するのは、外に遊びに出かけようとするインド人の男の子。
お母さんに「料理を作っているから静かに座っていなさい」と言われ、渋々とテーブルに向かいます。
遊びに行きたい気持ちを抑えて椅子に座り、スマホの動画を開くと…
そこには軽やかに踊る、くまモンが…!
スマホの中で再生される動画で、くまモンはインド料理店を訪れます。
チャイをオーダーし、クッキーに手をつけようとします。
壁には「食べる前には手を洗おう」とのポスターが。
それに気づいたくまモンは手を洗い、インド人ダンサーたちと手洗いダンスを踊ります。
動画を見た男の子も、ごはんを食べる前に手を洗い、「くまモンの言うとおりにするよ。いい習慣を忘れずに」と歌いながら踊ります。
これは、インドの子どもたちに向けて、国際協力機構(JICA)が熊本県と協力してつくった動画です。
狙いは、インドの子どもたちに手洗いの大切さを伝えること。
世界で猛威を振るう新型コロナウイルスだけでなく、様々な感染症の予防には手洗いが大切です。
しかし、インドでは地方を中心にまだ手洗いの習慣が根付いていない地域も多く、農村の子どもたちに動画でその大切さや方法を伝えようとしているのです。
くまモン「激しく動いているのが斬新」と好評
動画は約4分半のフルバージョンと、日本語字幕付きで約1分の短尺版があり、それぞれ、JICAの公式YouTubeアカウントと、くまモンのYouTubeチャンネルで公開しています。
JICAの広報担当者によると、くまモンはインドではまだあまり知られていませんが、インド事務所の現地スタッフにくまモンの動画を見せたところ、「キャラクターが激しく動いているのが斬新」と好評だったといいます。
動画はインドと、熊本県内のインド料理店や熊本城前で撮影されました。
動画公開に際し、在日インド大使館を訪れたくまモンは、Twitterでこう呼びかけています。
《みなさんもぜひ動画ば見て、一緒に手洗いしてほしかモン!ズムズムズームザ〜だモーン♪》
手洗いで防げるかもしれない「死」を減らすため
動画は、JICAインド事務所が、手洗いや爪切りなどを啓発する「アッチー・アーダット(良い習慣)キャンペーン」の一環として制作しました。
広報担当者は、子どもたちへの手洗い普及の大切さについて、こう話します。
「インドでは下痢症によって命を落とす5歳未満の子どもが年間10万人にのぼります。ユニセフによれば、石けんを用いた適切な手洗いにより、下痢症による死者数を4割減らせます」
「インドでは5.4億人以上が、石けんと水を備えた手洗い用の設備を自宅に持っておらず、農村部では半数以上の世帯が日常的に手洗いを行う習慣が根付いていないと言われています」
「感染症対策を推進するうえで、上下水道設備の整備と並行して、個人の衛生習慣の定着促進が引き続きの喫緊の課題となっています」
【動画】短尺版 - 日本語字幕つき
サムネイル:動画より