参院選で、女性候補者の擁立が9党で最も低かった公明党。
テレビ東京系列で7月10日に放映された「池上彰の参院選ライブ」でジャーナリストの池上彰氏が、公明党の女性候補者の低さについて、山口那津男党首に真正面から質問をぶつけた。
最も女性候補者が少ない公明党。選挙公報に女性ゼロは「たまたま」?
今回の参院選での、公明党の女性候補者の割合は21%で、主要9政党で最も低かった。
番組で池上氏が女性候補者の少なさについて質問すると、山口氏は「女性の議員を増やしていくということは大切だと思います」とした上で、以下のように述べた。
「議員が増えること、つまり当選者が増えるということが大事です。(公明党は)地方議員では3割が女性議員ですから、これはむしろ1番、女性議員の比率が高いと思います」
その回答に対し、池上氏は「国政選挙でのことを伺っているのですが……」と指摘。
「女性の味方」とアピールする一方で、公明党の選挙公報に掲載された「重点候補」7人が全員男性で、女性を一人も入れなかった理由を聞いた。
山口氏は、「たまたま男性ばかりだった。いずれにしても、当選する議員を増やすということが公明党の大目標です」と説明した。
「むしろ積極的に入れるべきなのでは」「もっと早くおやりになればよかったのでは?」池上氏
山口氏の「たまたま」という回答に対し、池上氏は「たまたまいなかったというか、むしろ積極的に入れるべきなのではないでしょうか?その点はどうなんですか?」とさらに深堀り。
山口氏はこう説明した。
「女性議員が活躍できる基盤を整える、活躍できる環境を整えるということと、合わせてやっていくことが必要だと思います」
「女性議員がしっかり国会議員として働ける基盤、これをしっかり整えていこう。それと合わせて、女性の有力な候補を立てていく、両方の努力が必要だと考えています」
具体的な内容については、以下のように述べた。
「例えば、子どもさんをもうける場合には、子どもさんを預けて、国会の動きに合わせて仕事ができるような環境が必ずしも整ってないところがありますね」
「女性議員が増えるように、働きやすいように。無理が生じて長続きしないというような環境を解消するように努めていきたいと考えています」
池上氏は、そのような説明に対し、冷静にこう指摘した。
「そのためにも女性候補擁立することによって、問題点も見えてくる。選挙運動することによって様々な意見が出てくる。もっと早くおやりになればよかったのではないでしょうか?」
「これからさらにがんばりますというのは、これまではあまり頑張っていなかったのかなと」
「少なくとも立候補している方が女性でもいらっしゃるのですから、選挙公報に名前は書くべきだったのではないかと思います」
女性候補の比率を定めていますか?→公明党「×」
BuzzFeed Newsが参院選に向けて、主要9政党を対象に「政策アンケート」を実施した際、「候補者の女性比率について党として目標を定めていますか?」との質問に公明党は「×」とし、以下のように回答していた。
《候補者の選定に当たっては、男女にかかわらず「出たい人」より「出したい人」という基本的な考え方のもと、党として最も適任と思う方を候補者として擁立しています》
《その上で、政治分野における男女共同参画の推進は、政治に多様な民意を反映させる観点から極めて重要であると考えており、今後割合目標を設定すること、またそのための具体的な方策などについても検討を重ねています》
日本政府は、参議院議員の候補者に占める女性の割合を2025年までに35%に引き上げることを目標としている。
この目標を、今回の参院選で達成しているのは、割合が高い順に、共産党(55%)、立憲民主党(51%)、社民党(42%)、国民民主党(41%)、れいわ新選組(36%)だった。
与党は、自民党(23%)、公明党ともに目標に10ポイント以上下回った。