岸田文雄首相は3月16日、記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」を全面解除する考えを示し、今後の感染対策について語りました。
GoToを再開するのか。いつまでマスクの着用が続くのか。ワクチン接種は今後どうなるのか。
岸田首相は「第6波の出口は見えてきた」とし、これからは「最大限の警戒をしつつ、可能な限り日常の生活を取り戻す期間」だと述べました。
重点措置は全ての地域で解除?
3月21日に期限を迎える「まん延防止等重点措置」は、今出ている全18都道府県で解除になります。17日に正式に決まる見通しです。
岸田首相は「通常に近い経済活動を1日も早く取り戻す」ためにも、基本的な感染対策を続けていく大切さを強調しました。
年度末や新年度の始まりとなる3〜4月は人の動きが増えます。春休み、卒業式や入学式など人が集まる機会も増えます。
首相は「就職や進学の機会でもあり移動が多くなる」としたうえで、「マスク着用、手洗い、3密回避、換気など基本的な感染防止対策を、引き続きお願いしていきたい」と改めて呼び掛けました。
多くの人が集まるイベントや旅行、会合などでは、ワクチン接種歴の提示や抗原検査キットの活用を推奨する考えを示しました。
GoToトラベルは?
春の大型連休を控える中、多くの人が気になっているのが「GoToトラベル」が再開するのか、再開するならいつからかという点です。
これについて岸田首相は「全国的な再開については、注意深く検討していく」と語り、明言を避けました。
一方、居住している都道府県の宿泊費などが割引になる「県民割」については、4月1日から、県単位から地域のブロック単位に拡大するとしました。
地域ブロックへの拡大にともない、ワクチン接種歴や検査キットを活用した取り組みを条件に盛り込み、「安心して県境をまたいだ旅行を楽しんでいただけるようにする」と説明しました。
マスクはいつまで?
マスクはいつまでつけるべきか。この質問に、首相は以下のように答えました。
「マスクは感染防止対策の基本です。移行期間においては引き続き、国民の皆さんにお願いしなければならない。今の時点で、いつをもって(マスクを外せる)と申し上げるのは難しい」
「安心して過ごせるよう、第6波の出口に向けていけるかどうかを見た上で、判断しなければならない。繰り返しますが、今の時点でいつ、こうなったらマスクを外せるとお答えするのは難しい状況です」
ワクチンは4回目接種もするの?
いま各地で3回目の接種が進められている新型コロナワクチン。4回目接種について、こう説明しました。
「4回目接種の必要量を確保できる見通しが立ちました。ファイザーを7500万回、モデルナを7千万回を追加購入することとし、もっとも適切な時期に接種できるよう必要量を確保します」
ただし、4回目接種の開始時期に関しては直接触れず、「コロナの再拡大がなければ無駄に終わるかもしれない」としつつ、「引き続き最悪の事態に備えておくことの重要性」を強調しました。
医療体制については、第6波で確率した医療体制を持続しつつ、発熱外来を引き続き確保。「まん延防止等重点措置の解除後においても、少し熱があるなと感じたらすぐに近くの医療機関で見てもらえることが大切」と述べました。