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「コロナと生きる」新しい日常ってどんな感じ?各国に住む人たちに聞いてみた

新型コロナウイルスの感染予防をしながらの「With(ウィズ)コロナ」の新しい日常では、工夫が必要になってきます。中国、韓国、カナダ、フランスでの取り組みを聞きました。

中国で爆発的に感染拡大した新型コロナウイルスは、欧米やアジアなど各国に広がりました。

多くの感染者や死者が出る中で、多くの国は外出制限などで対策しました。今、感染者数も少しずつ減少し、外出などを緩和、経済活動を再開している国もあります。

「第二波」に備え、感染予防をしながら生活する「With(ウィズ)コロナ」の新しい日常では、どんな工夫があるのでしょうか?

BuzzFeed Newsは、中国、韓国、カナダ、フランスに住む人々に話を聞きました。

中国:サービス業では「無接触」「消毒済み」が売り、政府はQRコードで人々を管理

中国・上海に住む20代の日本人女性はBuzzFeed Newsの取材に対し「サービス業は『無接触』や『消毒済み』が売りになってきて、ホテル予約サイトでもフィルターに出てきました」と話します。

タクシーや施設内のエレベーターなど、多くの場所には「今日消毒しました」と書かれたステッカーが貼られ、消毒での安心感を客にアピールしているそうです。

「無接触」を売りにするホテルでは、チェックインなどを対面でしないなど、人と接触する機会を最低限に減らしたサービスを提供。

女性が最近、宿泊したホテルでは、アルコールスプレーや消毒ジェルがアメニティとして提供されたと言います。

この女性が「一番影響が大きかった」と話すのは、マスク着用必須化と「健康コード」の利用。マスクを着用していないと、公共施設や電車なども利用できないといいます。

「健康コード」とは、人々の健康状態や移動履歴などを管理するQRコードで、街中の各所で健康状態であることが証明する必要があります。

利用者は自分の体温などを入力し、健康状態を証明するシステムで、中国各地でこの健康コードが導入されています。

「QRコードが緑なら健康、黄色は要注意、赤は危険で滞在履歴などによって色が変わります。ジムやオフィスビルなど人混みになる場所はだいたいこのコードを提示しないと入れません」(女性)

日本でも5月25日、全国での緊急事態宣言解除が発表された会見で、安倍首相は「接触確認アプリ」を6月中旬ごろに導入すると明らかにしました。

このようなアプリの導入については、国内外で「監視社会」「プライバシーの侵害になる」との批判が相次いでいます。

実際に中国で健康コードを利用する女性はこう語ります。

「もともと中国は管理社会で、それが日常的なので健康コードで管理されているとか窮屈なイメージはないです」

「支払いアプリ、シェアバイク、ゲームアプリなど何でもかんでも身分証プラス顔写真認証です。だから健康コードに対する悪いイメージも特にありません」

韓国:食材・日用品の買い物もオンラインで。スマホに感染情報などメッセージ受信も

韓国の首都ソウルから電車で約40分ほどの場所にある安養(アンニャン)市に住む20代の韓国人女性は、5月上旬に3月から続いていた外出制限が緩和されてからも、食材など日々の買い物をオンラインでオーダーしていると話します。

「感染リスクがあるスーパーに行くより安全なのでオンラインで食材なども買っています。夜寝る前、午後11時にオーダーしたら翌朝午前7時には届くのでとても便利です」

女性が利用するのは大手ECサイトの「クーパン(Coupang)」。日本でよく利用される「Uber eats」のような料理の出前だけでなく、食材や日用品など毎日の買い物もオンラインでオーダーするといいます。

また、女性が「とても役に立った」と話すのが、各省庁・自治体から、クラスター(集団)感染情報などがスマホに届くメッセージ。GPS機能で、ユーザーの位置情報が分かるため、近隣の感染情報などが得られる仕組みです。

女性は安養市に住み、市外の大学で働いているため、自宅にいる時は安養市の情報が届き、働いている際には、大学が位置する市の情報が届きます。

メッセージは数時間ごと、多い時には1時間に何通も届きますが、女性は「自分の周りの情報が速く得られて便利。たくさんメッセージが来て鬱陶しいとは思わないです」と話します。

日本では、6月7日には沖縄県議選、7月5日には東京都知事選の投開票が行われます。韓国では4月15日、感染対策に配慮した形の韓国総選挙が実施されました。女性は投票所での様子をこう語ります。

「会場では、投票に来た人、一人一人に使い捨てのビニール手袋が配られ、出入り口で手をアルコール消毒をしました。投票所の前では朝6時ごろから多くの人が並び、スタッフが『間隔をあけて並んでください』と呼びかけていました」

感染対策に配慮しながらも無事選挙を終えたことで「政府への高評価にもつながったと感じています」と女性は話しました。

カナダ:月2000ドル・最大4カ月分のスピード感のある給付金

カナダのオンタリオ州トロントに住む20代の日本人男性は、「カナダでは金銭的な補助を早急に実施したことで、政府への不満は日本に比べて低いように感じます」と話します。

カナダ政府によると、ある一定の条件を満たす住民は緊急対策給付金(CERB)を月2000ドル、最大4カ月受け取れます。

「政府からの給付金は、お金を必要とする人にすぐ届くようにとスピード感ある対応で、さすがだと思いました。ワーホリで滞在している外国人や留学生も受給できました」

ワーキングホリデーでカナダに滞在していた外国人の若者も、コロナで働いていた飲食店などが休業したため、給付金を受給して生活をやりくりしたといいます。

また、カナダでも日本と同様、外出制限でリモートワークが実施されましたが、緩和後もリモートワークを継続する企業も多くあるといいます。

トロントの地下鉄では、乗客同士が間隔を開けて乗るように、座席に「ここに座らないでください」というお知らせが貼ってあります。

一方、男性が不安視するのは「第二波」の到来。

連邦制のカナダでは、州別に感染状況などをみて州政府が判断し、経済活動再開などが発表されています。

オンタリオ州政府は、5月14日にゴルフコースなどスポーツ施設、19日に小売商店などの営業を段階的に再開を許可すると発表し、外出を制限していた人々も一気に外にで始めたといいます。

「最近はやっと気温も二桁になって暖かくなってきて、若い人中心に多くの人々が外に出て来てしまっています。冬の寒さを経験したから外出したい気持ちは分かるのですが、少し怖いです。若者は『もう大丈夫でしょ』という雰囲気になっていると思います」

フランス:レストランは6月まで休業。教育機関は保育園、小学校などから再開

フランスでは、3月中旬から5月11日まで厳しい外出制限が実施されました。フランスの北部、ヴァレンシエンヌに住む20代の日本人女性は、政府方針についての印象をこう語ります。

「フランス政府は『ウイルスと共に生きていかなければならない』という方針。段階的にロックダウン解除になりましたが、7月までは事実上、多くの制限がある印象です」

フランスでは5月11日から、感染状況などで地域をゾーン分けし、収束傾向の地域では市民への外出を認め、百貨店など商店は営業再開が認められました。

一方で、感染リスクが高い飲食店やプロスポーツの試合などは再開が見送られ、状況をみて6月に営業再開を認めるか判断するということです。

3月中旬から休業を続けている飲食店にとって、営業再開見送りは死活問題。女性は、テイクアウトの売り上げのみでどうにか続けているレストランやカフェの様子をこう語ります。

「お持ち帰りやデリバリーだけで、なんとかやっているお店が多いです。先日利用した近隣の日本食料理店は、前日に予約して、当日は店の窓越しに代金を払い、(食事を)受け取るという仕組みでした」

政府は、外出時のマスク着用を必須としていますが、女性は「地域の役場から1人に対し2枚のマスクが配られているにも関わらず、見た感じでは約8割以上がマスクをしていない様子です」と話します。

また、教育機関については5月11日から幼稚園小学校から段階的に再開しています。

学校の段階的再開も、ゾーン分けされた地域の感染状況をみて実施されますが、幼稚園や小学校から順に再開されたことについて、女性はこう話します。

「フランスは共働き家庭が多く、小さな子どもを家において仕事にいけないという問題がありました」

学校再開を巡っては、ゾーン別で学年順などで対応しながらも、医療従事者の子どもや、授業についていけない児童などを「優先すべき」という方針で進めていくそうです。


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