職場でのパンプス・ヒールの着用強制に反対する #KuToo の動きが広まる中、ある男子大学生が撮影したYouTube動画が話題になっている。
ヒール（かかと）が高いパンプスを履いて１日外に出てみるという試みを撮影した約9分の動画だ。
動画に登場する、白石楓さん（21）に動画撮影の理由や背景を聞いた。
YouTubeアカウント「トペコンヒーロ」を運営する白石楓さんと江口雅教さん（23）は7月3日、YouTubeにこの動画を掲載、4日にはTwitterに約2分半に編集した動画をアップしたところ、5日午後現在でリツイートは1万8000以上に上っている。
Twitterでは、普段パンプスの足の痛みに悩む女性ユーザーから「検証動画をありがとう」「普段パンプスを履かない男性が試してみてくれて嬉しい」「足お大事に」などのコメントが寄せられた。
2人は千葉県の大学でメディアコミュニケーションを学ぶ学生だ。
「履くのが辛い」と嘆かれてるハイヒールは本当に辛いのか？ 全く履いた事ない俺がヒールで1日過ごしてみる動画です👠 フルサイズ👇 https://t.co/cmxUMjt9O0 #KuToo
白石さんはBuzzFeed Newsに対し、この動画を撮影するきっかけは「大学の女友達が話していた、就活のリクルートスーツと合わせて履くパンプスの痛みでした」と話す。
大学4年生の白石さんの周りには就活をしている人も多く、普段の会話や友人のツイートの中で「就活のパンプスで足が痛い」という声が上がっていた。また、Twitterやニュースで #KuTooの動きも目にしていたため「実際に履いてみよう」と検証動画を撮ってみたという。
オンラインストアで白石さんのサイズに合う27cmのパンプスを購入した。ヒールの高さは約6cm、幅約1.5cmだ。在住する千葉県柏市から東京のお台場に1日パンプスを履いて遊びに行くという企画を立てて撮影に挑んだ。
「今思うと恥ずかしくて、失礼だとも思うんですが、パンプスを実際に履いてみる前は『気合いでいける、大丈夫だ』と思っていました」と話す白石さん。
しかし千葉県柏市の自宅から徒歩10分ほどの駅に向かい、電車でも座れないまま1時間20分、ヒールが高いパンプスで立ち続けると「つま先に圧力がかかって痛い」と感じ始めた。
実際履いてみて初めて分かった「痛み」
お台場で昼食を食べて少し歩き回ると「一挙一動で痛い」「立っていられない」となったという。
1日お台場に遊びに行って千葉に帰ってくるという企画だったが、パンプス着用による水ぶくれや指の付け根・かかとの痛みに耐えられず、結局、出発から4時間で断念してしまった。
普段、男性のファッションではパンプスを履くこともなく「KuTooの活動も以前は他人事だと感じていた」という白石さん。しかし実際履いてみると、考えが変わったという。
「本当に痛かった。僕は活動家ではありませんが、パンプスを体験してみると、人に強制されるものではないと思いました」
白石さんは「女性がパンプスを履いてスタスタ歩いている姿は素敵でかっこいいと思いますし、履きたい人は履けばいいと思います」とする一方で、企業が女性スタッフに着用を強制したりするのは「良くないと思う」と話す。
男が初めてヒール履いてみて思ったことは ・歩きづらい(履き慣れてないだけかも) ・とにかく痛い ・座って休みたい の3点でした 見た目はすごく素敵なので履きたい人は履けば良いと思います。 ただ、履くことを「強制」するのは良くないとも感じます。 #KuToo
Twitterで #KuTooのハッシュタグと共に、「見た目はすごく素敵なので履きたい人は履けば良いと思います。
ただ、履くことを『強制』するのは良くないとも感じます」とツイートすると、1500以上のいいねがついた。
企業でのヒール・パンプス強制については「パンプスを履いたことのない男性が、パンプス着用の規則を決めたりしているなら、痛さを知らないので『強制』しているという感覚もないのかもしれないですね」と話す。
白石さんと江口さんのYouTubeアカウントは4月末に開設したばかりで、動画もパンプス検証動画で5本目だ。今後、ユーチューバーとしてやっていくために、様々な検証動画も作って行く予定という。
動画はこちらから
