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「私、大統領になりたい」そう言った3才の女の子に、母親が話したこと。ハリス氏が伝えた希望

女性初の副大統領になることが確実となったカマラ・ハリス氏。大統領選挙を見て「私、大統領になりたい!」と話す3才の女の子に、母親が伝えたこととは。

「私は最初の女性副大統領かも知れないが、最後ではない。なぜならば、これを見ている全ての少女たちが、アメリカは可能性に満ちた国だと思うからです」ーー。

カマラ・ハリス氏が副大統領になることが確実となり、11月7日(現地時間)の勝利の演説で述べた言葉です。

アメリカ大統領選で民主党のジョー・バイデン氏の当選が確実になり、バイデン氏が副大統領候補に指名したカマラ・ハリス氏が、「アメリカ史上初の女性副大統領」となることが確実になりました。

この日、アメリカ南西部のある州に住む双子の女の子は、「私、大統領になる」と、夢を語りました。

大統領になりたいと話したのは、3才の双子、ルナちゃんとアリアちゃんです。

母親のウィラ・ジェイムズ・バルデスさんはBuzzFeed Japanの取材に対し、大統領選挙の投票日を振り返ります。

ウィラさんは初めて、ルナちゃんとアリアちゃんに、大統領とはどんな仕事なのかや、選挙の仕組みについて説明したといいます。

大統領とは国を率いるリーダーのことで、副大統領は2番目のリーダーであること。今日は大統領を選ぶ日で、国中の皆がとても緊張してその結果を見守っていることーー。ウィラさんは2人に話しました。

ウィラさんがそう説明するなり、ルナちゃんとアリアちゃんは「私!私、大統領になりたい!!」と弾けんばかりの笑顔でそう叫んだといいます。

嬉しそうに夢を語る2人を前に、ウィラさんは「まだアメリカには女性の大統領が就任したことはないという事実を言うことはできませんでした」。

バイデン氏が大統領、ハリス氏が副大統領になると確実となった日、ウィラさんは再び、ルナちゃんとアリアちゃんと、大統領について話したといいます。

「女性の大統領が選ばれる日も近い」

ウィラさんが「実は、今までアメリカでは女性の大統領はいたことがない」と話した時、2人は残念そうな表情を見せました。

しかしウィラさんは、2人に、カマラ・ハリスという女性がいると話し始めました。

「カマラ・ハリスという女性がいて、ハリスさんは、アメリカの新しい歴史をつくったの。ハリスさんは、女性で初めてのアメリカの副大統領になったんだよ」

「副大統領は2番目のリーダーだから、もし大統領に何かあった時は、副大統領が大統領になる。どういうことかわかる?もしそういうことが起こったら、それはアメリカで初めて、女性が大統領になるってことなんだよ」

ウィラさんは、次回以降の大統領選挙で「女性の大統領が選ばれる日も近い」とも伝えました。

ルナちゃんとアリアちゃんはそれを聞いて、飛び跳ねながら「やった!」と叫びました。

ウィラさんはその姿を見て、涙を堪えることができなかったといいます。

ハリス氏が副大統領になることについて、ウィラさんはこう話します。

「ハリス氏が、初の女性の副大統領になり、そして多様なルーツを持っていることは、言葉で説明できないくらいに、とても意味深いことです。今どれだけ国で分断が起きているとしても、国の歴史の中で重要な瞬間であると多くの人が感じていると思います」

「政治的な意見は関係なく、ハリス氏はアメリカの歴史で最も高い地位に就く女性なのです」

ウィラさんはこれまで、娘たちに「将来、2人が望めば何にでもなれる」と伝えてきましたが、ハリス氏が副大統領になるということを受けて初めて、本当の意味で「何にでもなれる」と胸を張って言えることができるようになったといいます。

現段階では、トランプ現大統領は選挙での敗北を認めていませんが、ウィラさんは「トランプ支持派の家族にも女の子の子どもがいたら、ハリスさんのことを伝えてほしい」と願います。

ウィラさんはこう語ります。

「娘2人は、『将来、大統領になるんだ』と心に決めています。将来、2人がどんな道を選ぼうと、それをサポートしようと決めていますが、何より、今回の選挙結果により、娘たちに希望を与え、『将来何にでもなれる』と教えてくれた皆さんの1票1票に感謝をしたいと思います」

「これは嬉しい時の涙なんだよ。良い涙なんだよ」

ハリス氏の勝利の演説は、全米、そして世界各国の女の子や女性を勇気付けました。

ルナちゃんとアリアちゃんはまだ、スピーチを聞いても深く理解することはできませんでしたが、涙を流すウィラさんの姿を見て、「なんで泣いているの」と、心配してくれました。

ウィラさんは、2人にこう伝えました。

「これは嬉しい時に流す涙なんだよ。良い涙なんだよ」

今回の選挙では、連邦議会選挙と州議会選挙も実施され、最多の女性議員が当選し、トランスジェンダー女性や、ゲイだとセクシュアリティを公表している男性も当選しました。

多様な人々がリーダーに選ばれていく様子を見て、ウィラさんはこう語ります。

「次世代の若い人たちが将来を考える時、ジェンダー、人種、セクュアリティ、障害などが何も隔たりになることなく、全ての人に対して、リーダーになる扉が開かれていることを望んでいます」