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コロナ禍で災害がおこったら…?避難生活での感染対策、ガイドブックをウェブで公開

新型コロナウイルスの感染が広がる中で、もし大地震などの災害が起こったら、感染予防対策をどうすればよいのか。「避難生活お役立ちサポートブック」が公開されました。

いつ、どこで発生するか分からない、大地震などの自然災害。新型コロナウイルスの感染が広がる今この瞬間にも、災害が起こる可能性はあります。

「災害が発生した時に、感染予防など、どのようなことに気をつけて避難生活をおくればいいのか?」という疑問に答える、サポートブックが公開されました。

「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」は5月11日、34ページのPDFで公開されました。

サポートブックでは、感染症対策をしながら避難生活を送るポイントや注意点などがイラストと共にわかりやすくまとめられています。

サポートブックを公開したのは、NPO法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」。災害時の避難生活について支援を経験したことがある団体で構成する「避難生活改善に関する専門委員会」が制作しました。

サポートブックの対象は、避難所開設・運営などに関わったり避難者の対応をする市町村職員や自治会・町内会役員、NPO、ボランティアなど避難者受け入れ側、そして避難者全般です。

いつ災害が発生し、誰が「避難者」になるかは分からないため、一人一人が注意点などを知っておくことが大切です。

JVOADの明城徹也・事務局長は、制作に至った理由を「災害時の避難生活で支援の経験やノウハウがある団体が、発信すべきだと考えたから」だと語ります。

「避難生活改善に関する専門委員会」を構成する団体などはこれまで、日本各地で発生した災害で避難所運営などを支援してきました。そこで培ったノウハウや情報を共有するため、これまで民間や行政を対象にした研修などを実施していたといいます。

その中で、新型コロナが流行し始め「もし流行中に災害が起きたらどうすべきか?」という疑問に答えるために、サポートブックを制作しました。

「新型コロナの対策をしながらの避難所運営は、これまでの避難所運営の常識を覆すものです。避難所運営の支援の経験がある団体に加え、感染症が専門のアドバイザーを迎え、サポートブックを作りました」(明城さん)

コロナ禍で、どこに避難する?知っておくべきこと

サポートブックが「はじめに」でまず紹介しているのが、コロナ禍での避難先についてです。

災害が発生したり、自宅にとどまる危険度やリスクが高まった場合、避難しなければなりませんが、指定避難所などでは、多くの避難者と共に集団生活を送らざるを得ない状況が発生します。

その様な状況を極力避け、人数を抑制するため、各自治体は学校などの指定避難所の他に、ホテルや旅館を新たな避難所として開設できるよう、準備を進めているといいます。

また、サポートブックでは「可能な場合は、親せきや知人宅への避難を推奨」としています。可能な限り「少人数・個別空間での避難を優先」することで、感染リスクを減らすためです。

もし、やむを得ない状況で避難所に身を寄せたとしても、可能な限り「少人数・個別空間を確保」することが鍵ということです。

避難者、そして避難受け入れ側が事前に「適切な対処方法をきちんと理解し、事前を含めた対策を徹底すること」が、避難生活での感染拡大を「最小限に食い止める」方法です。

また、被災者に新型コロナの感染者がいる場合「医療機関への移送を大原則」とした上で、大規模災害時にやむを得ない場合、感染者や濃厚接触者、感染に関する症状がある人などの避難先や、避難所でのゾーン分けレイアウト例なども図で示されています。

もし避難生活を送ることになったら?気をつけること

サポートブックでは、「どこにいても、1人ひとりが必ず守ること」として、通常の生活でも徹底が呼びかけられている「3密(密閉・密集・密接)の回避」「汚れた手で目・鼻・口を触らない」「こまめな手洗い・アルコール消毒」などを挙げています。

災害時、断水が発生し、石鹸やアルコール消毒液がない場合には、「手に付いたウイルスを少しでも減らすために、ペットボトルの飲料水やウエットティッシュで拭きましょう」としています。

また、断水などで石鹸で手が洗えない状況にある際は、おにぎりやパンを食べる時に、包装紙を持って、食べ物には直接手を触れずに食べることなどを挙げています。

避難所での集団生活でクラスター(集団)感染を生まないためには、手洗い時のタオル、食事時のコップや箸の共有・使い回しを避けるべきと指摘しています。

サポートブックでは他にも、効果的な掃除・消毒の仕方、避難所運営スタッフの服装、受付の設置方法などの、感染対策をそれぞれ紹介しています。

「コロナ流行+災害」の不安の中でも、差別を生まないために

新型コロナウイルスの流行では、感染への不安に加え、経済的な不安などもあり、感染者や営業を続ける店舗、医療従事者などへの差別や嫌がらせも問題になっています。

もし今、災害が発生したら、不安がさらに増大します。サポートブックでは、そのような中でも「特定の人や地域、職業などに対して偏見を持つ、嫌悪する、差別するなどの行為は避けなければなりません」と明言しています。

「特定の人、地域、国籍、職業などに対し『危ない』『悪い』というレッテル」をはったり、誰に対しても差別、侮辱、不快感を与える言動が起きたりしない様に、以下の点が対策として挙げられています。

・確かな情報を取得する

・差別的な発言に同調しない

・どのような人に対してもねぎらいの心を持ち、敬意を払う

・誰もがかかる可能性がある病気であることを理解する

これらの対策は、災害時だけでなく、新型コロナが流行する現在でも、心がけるべき点です。

「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」は、NPO法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」のウェブサイト上で閲覧、ダウンロードをすることができます。

サポートブックの内容は今後、最新情報に基づき、随時更新されていく予定です。


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