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「毎日空腹でつらい」「川で魚をとってしのいでいる」支援からこぼれ落ちた外国人住民のために、緊急基金が作られた

1人10万円を支給する特別定額給付金事業の対象にならない外国人住民を支援するため、移住連が緊急支援基金を立ち上げ、現金支給の支援をしています。

新型コロナウイルスの影響で、人々の生活にも大きな影響が出たことから、政府は1人10万円を支給する特別定額給付金事業を実施している。

しかし、日本に住んでいる人でも、この給付金の対象にならない人たちがいる。

職場とのトラブルなどでオーバーステイになった元実習生、仮放免・非正規滞在者、難民申請者などは、住民基本台帳に記録されていないという理由で、10万円の支給はされない。

そのような人たちは元々、経済的に不安定な立場に置かれている人も多く、コロナの影響で生活に大きな打撃を受けている。

そのような人たちを支援するため、緊急支援基金が立ち上がり、支援を必要とする人たちへの現金の支給が始まっている。

この「新型コロナ 移民・難民緊急支援基金」を設立し、募金を呼びかけているのは、外国人労働者や移住者を支援している「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」。

5月8日に募金の呼びかけを始め、6月2日までに750万円を超える額が集まった。

特別定額給付金事業の対象から外れてしまった外国人住民らに、現金3万円の給付をする。

移住連の会員である支援者らが、コロナの影響などで生活に困窮する外国人住民に聞き取りを行い、支援基金に申請、集まった寄付金の中から支援が必要な人々に現金を支給するという仕組みだ。

形式的には特別定額給付金の支給対象になるが、DVなどの理由により実際に受け取れない人なども基金の対象に含まれる。

難民申請者や元実習生など、立場は様々だが、緊急支援基金への申請者からは、聞き取りでこのような声が寄せられた。

「毎日空腹で辛い」

「川で魚をとってしのいでいる」

「1リットルの牛乳と食パンでなんとかお腹をいっぱいにしている」

このような生活を強いられている人たちの中には、子どもがいる家族もいれば、頼る人がいない単身者もいる。

移住連の高谷幸・理事によると、国は特別定額給付金のほかにも、様々な給付金で困窮者への支援を実施しているが、在留資格による制限や言葉の壁で、今日や明日の食事さえままならない外国人住民たちに、支援が届いていないのが現状だという。

高谷さんはBuzzFeed Newsの取材に対し、「緊急事態宣言が解除されても仕事にすぐ戻れない人もいます。終わりがみえない状態で、支援を必要としています」と語った。

「3、4月で仕事がなくなった人がかなりいました。失業したり休職してから、もう2カ月半以上になる人もいて、苦しい生活をおくっています」

国際航空便が停止するなどして、母国に帰れないでいる人もいる。

「『帰りたいけど帰れない』という人も含めて支援が受けられるべきです。国際便が停止するなどして、動きが止まった社会で、皆でどう支え合っていくかが課題です」

移住連が連携して活動している「反貧困ネットワーク」の枠組みで4月、「緊急ささえあい基金」を実施し、外国人からも相談が来ていた。

しかし、緊急ささえあい基金とは別に、特別定額給付金の対象外となった外国人住民を中心とする基金が必要だとして、「移民・難民緊急支援基金」を設置したという。

こちらの基金では、こちらの基金では、6月2日までに330人への支援を決定。今後も、目標を2000万円に設定して、呼びかけをしていく。

コロナ禍以前でも、基金の対象になるような移民・難民の人たちは、経済的に厳しい生活を送ってきた。

また、入管施設に収容されていた人が、一定の条件のもとに収容を停止する「仮放免」となった場合、就労や移動には一部制限が出る一方で生活保障などはないため、厳しい状況に置かれる。

そんな人たちをこれまで支えてきたのは、支援団体やコミュニティ、家族、教会などの宗教団体などだが、コロナで支援者も厳しい状況に陥り、教会なども感染対策のためにミサを行わないなどの措置を取ってきた。

すると、これまではミサで集まっていた寄付金などがなくなり、仮放免者らを支えていたサポート基盤も、困難な状況を迎えていたのだ。

高谷さんは「家を失った人たちもおり、支援者の家に身を寄せている人もいます」「感染防止という観点でも、本来は日本に住む全ての人への支援が必要です」と語る。

緊急支援基金は今後も、継続する経済への影響や第二波なども鑑みて、8月までを予定期間として寄付の募集と困窮者への支援を続けていく。

寄付に関する詳しい情報は、移住連のウェブサイトから。


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UPDATE:6月2日時点での寄付額と支援決定人数を更新しました。