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「手術できなくなる。早くマスク、ガウンを」医療現場の人々がTwitterで訴えたこと

新型コロナウイルスの感染が広がる中、医療関係者・介護関係者が写真を撮ってTwitterで発信し、医療用品の不足や危険手当、補償の必要性を訴えました。

新型コロナウイルスの感染が広がる中、医療関係者や介護関係者が写真を撮り、医療用品の不足や危険手当、補償の必要性をTwitterで訴えている。

メッセージを書いた紙を掲げ、必死の訴えをするのは、北海道の医師や看護師、介護福祉士らだ。

BuzzFeed Newsは、写真でメッセージを発信した看護師らにテレビ電話で話を聞いた。

「早くマスクとガウンを」

「早くマスクとガウンを!!」そう書かれた、北海道医労連・道東ブロックによる投稿は、5千リツイートを超えた。

国内での感染が急増する中、医療や福祉の現場は刻一刻と厳しさをましている。その一方で、国などに要請しているマスクやガウンは一向に届かないままという。

他の医師や看護師も、マスクやガウンの他に、医療用キャップ、エプロンなどが「今すぐ必要」とのメッセージを発信した。

「危険手当を支給して」

「医療従事者に『危険手当』を支給して」

そう書かれたメッセージを発信したのは、看護師の女性。女性はそう書いた思いをこのように語る。

「(ウイルスは)見えない敵なので、いつどのような形で感染するか分かりません。それでも仕事しなくちゃならないし、現場に出なければいけないんです。危険な要素がいっぱいありますよね。それに対する手当を、きちんと国の方から出してほしいと思います」

現状、女性らは危険手当などはなしで平時と同じ給与で勤務している状態という。

危険手当に関しては、日本看護協会が4月15日、新型コロナウイルスの感染症に対応している看護職に対し危険手当を支給するよう、厚生労働相と内閣府特命担当相に要望書を提出している。

「医療人として」

また女性は、自身が写真に写って危険手当などについて訴えかけた理由についてはこう語った。

「私たち医療人として、ここで諦めてしまうと、ずっと諦めることになってしまうと思いました。なんとかここで一致団結して、コロナに立ち向かい、皆と共にやっていきたいなという思いで参加しています」

女性は医療用品の不足についてこう語る。

「自分たちの命を守るためにも必要なもの。なかなかそれが手に入らなくなると、先が見えないなと思う。国へは要請はしていますが届いていません」

女性の職場ではマスクやエプロンが品薄で、現在は1日、1人1枚とはなっているが、現在病院にある在庫が無くなり次第、使い捨てのものを洗って使うなどの方法を検討している。

「命を守る給付を」「今まで通り手術を続けたい」

手術室で看護師をする男性は「命を守る給付を」とメッセージを発信した。

男性はこう語る。

「新型コロナウイルスに感染した患者をどこに入院させるかという話し合いもあり、十分な医療を提供できないのではという思いが強いです」

「手術自体も、不要不急の手術をしないという話になっていますけど、痛みが強い患者さんも多いので、今まで通りに手術を続けていきたいです」

新型コロナウイルスの感染者急増で「どこの病院も苦しい状況」。普段に比べると収益も落ちており「病院自体を続けていく上でもかなり大変な状況」という。医療機関にも給付が必要だと話した。

また、男性は医療用品の不足についてもこう語る。

「手術室は高度な清潔を保つための動作が必要です。いままで使い捨てのものを使用していたのに、ガウンを使いまわしたりというようなことも出てきています。マスクや帽子も入ってこないという話になっていて、手術自体が今まで通りできるのかという不安があります」

「自粛と給付はセット」「補償で休業ができ感染拡大防げる」

リハビリ室勤務の男性は、感染をこれ以上広げないためにも「自粛と給付はセット」というメッセージを発信した。補償がなければ休業できず、政府が感染拡大防止のために掲げる「外出8割減」が達成できないと話す。

「『店を開けざるを得ない。じゃないと生きていけない』という現状があると思います。外出8割減を目指しているけど、生きていく上では(店を)開けなければいけないという方は中にはいらっしゃいます。『これだけ補填するから今はがんばろう』という国の姿勢が見えてこないと、なかなか行動だけうつすのは難しいのかなと思います」

人々が外出をし続ける限り、なかなか感染拡大は抑制されず、結果として医療現場のひっ迫を招くことにもなる。医療関係者への感染も広がる中「自分が感染し家に持ち帰ってしまうのでは」という恐怖もあると話す。

「今、妻が妊娠中で、もうちょっとで出産するというタイミングです。新生児が感染したというニュースも見ましたし、私が病院勤務を続けて家に(ウイルスを)持って帰ってしまうのではとも思います。怖いです」

男性が勤務するリハビリ室では、使い捨てマスクにガーゼを1枚入れ、そのガーゼを取り替える形でマスクは1週間同じものを使っているという。

「コロナの患者が多くいる切羽詰まった病院でも医療資材は足りておらず、他の病院もゴミ袋をガウンの代用としていると聞いています。早急な医療資材の確保が必要です」

「医療を守ってほしい」

また男性は、ニュースなどでよく使われる「医療崩壊」という言葉についてもこう語る。

「『医療崩壊』という言葉をよく目にしますけど、崩壊しない万全の医療を予防的に持っておくことが必要なのではないかと思います」

男性は「事態が終息したとしても、診療報酬の引き上げなど、医療にそれなりの給付をしてもらえないと厳しい」とし、「そもそも、ちゃんと医療というものを守ってほしいという思いが強いです」と語る。

「介護の現場にもマスク、補償を」

新型コロナウイルスに感染すると重症化の可能性が高い高齢者が利用する介護施設も、マスクなどが足りない中、感染を恐れながら事業を継続したり、やむなく休業するなど打撃を受けている。

関係者はBuzzFeed Newsに対し「介護の現場もとても大変です。医療現場と同じ様に、介護現場にも補填が必要です」と話す。

各地の介護施設などでクラスター(集団)感染が報告される中、運営を継続するにしても、一時休業を選択しても、困難な現状がある。

関係者は介護施設への支援や補償の必要性をこう語った。

「介護の事業所は小規模のところが多いので、運営はカツカツです。利用者を一時休止しただけで、干上がってしまうところも。地域資源として本当に貴重なので、そこが総合的に守られるような国の施策が必要です」

「医師が常駐していないところもありあすし、看護師もすごく少ないです。老人保健施設だと、入院後の自宅に帰るまでの中間施設という意味合いもあり、医療依存度が高い利用者さんが多いです。昨日まで『患者』だった人が、今日から『利用者』になる。医療の現場と同様に支援が必要です」

北海道の介護施設で働く人々からは、メッセージを掲げた写真で「介護にコロナ減収の補填を」「看護・介護スタッフ増員」「マスクが足りていなくて困ってます」との声が届けられた。


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