「2人きりで食事したよね? ほら、お互いお酒飲んでたし…」「今、付き合ってるじゃん!」
羅列された「言い訳」の数々。その横には大きく、「傷つけた方が悪い。性暴力に言い訳は通らない」と書かれています。
性暴力防止のために政府が制作したポスターに、ネット上では「すごくいい」「利用する駅でもすぐ目に入ってきた。インパクト大」などの声が広がっています。
BuzzFeed Newsは内閣府の男女共同参画局に狙いを聞きました。
内閣府の担当者は取材に対し、こう話します。
「同意のない性的な行為は許されないということを強く訴えるため、このようなポスターをつくりました」
「(性暴力の)加害者となっている人たちは、自分が加害者という認識がないケースも多いと思います。それが性暴力にあたるということに気付いてもらうために、例を出して伝えました」
ポスターでは「あなたの望まない性的な行為は、性暴力です。迷わずに下記までご相談を」と呼びかけ、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの番号「#8891」などを案内しています。
「加害者層に訴えかけるため」デザインの背景
11月25日は、国連が定めた「女性に対する暴力撤廃の国際デー」。
日本では内閣府などが主体となり、11月12〜25日に「女性に対する暴力をなくす運動」を行っています。
男女共同参画局は毎年、暴力や性暴力をなくすためのポスターをつくっています。
昨年のポスターでは、「同意のない性的な行為は性暴力」というメッセージを、「家に来てくれても」「結婚していても、恋人同士でも」といった例を挙げて伝えました。
明るくポップな雰囲気でしたが、今年は「加害者層に訴えかけるような、重いデザイン」を心掛けたといいます。
ポスターは先月から各自治体に配布され、役所や駅、支援団体などで掲示されています。
「性暴力は、性別や年齢にかかわらず起こる」「迷わず相談を」
男女共同参画局のサイトでは、「性暴力は、性別や年齢にかかわらず起こります。身近な人や交際相手、配偶者から被害を受けることもあります」「性暴力被害に悩んでいる方を見かけたら、相談先を教えてあげてください」と呼びかけています。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」や、警察庁の性犯罪被害相談電話「#8103」などの電話相談のほか、内閣府によるチャット形式での相談「Cure time(キュアタイム)」もあります。
各地にある、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの連絡先などは、男女共同参画局のサイトから確認できます。
DVに関する相談窓口は「DV相談+」へ。電話やメール、チャットで相談を受け付けています。
そのほか、法務省や警察庁、厚生労働省の相談窓口については、以下の画像のQRコードや電話番号をご参照ください。