赤ちゃんの顔にあざがあることに気づいたレストランの従業員がFacebookに投稿したことがきっかけで、テネシー州の男女が児童虐待の容疑で逮捕された。
パデューカ市のレストランで働くジョーダン・クーパーさんによると、カップルはレストランに女の子と赤ちゃんを連れて日曜日の夜、来店した。赤ちゃんの顔には「殴られたような跡」があったという。
投稿はすでに削除されているが、「赤ちゃんは顔中が黒や青のあざだらけでした」とクーパーさんはFacebookに書いた。「写真の男は、彼女に無理やり食べさせたりシャツをつかんだりして、彼女に色々とうるさく言っていました」。
クーパーさんがWPSD-TVに伝えたところによると、クーパーさんは、ほかのテーブルのお客の写真を撮るふりをしながら、問題の家族の写真を撮った。やがて、その様子を怪しみ出した男女は急いで代金を支払って帰りかけたため、クーパーさんは後をついていき、車のナンバープレートを書き留めて警察に通報したという。
クーパーさんは自宅に帰るとFacebookに写真を投稿し、男を知っている人がいれば教えてくれるよう求めた。警察に情報を提供するためだ。
「心があまりにも痛んで給仕ができませんでした」と、彼女は語る。「何とか対応してもらえるよう、行政の児童家庭担当部署に電話をかけました」。
約1時間後の午後10時、クーパーさんの高校の友人で、イリノイ州メトロポリス警察署で911緊急通報指令室のオペレーターを務めるアーロン・コールドウェルさんが投稿を目にし、行動に移った。
「彼女に電話をかけ、何が起こったかをすべて教えてもらいました」と、コールドウェルさんはBuzzFeed Newsに伝えた。
コールドウェルさんによると、Facebookで受け取ったメッセージから、男がマーク・ピアースという人物だと割り出すことができたという。
「早速彼に関する情報をできる限り集めました」とコールドウェルさんは言う。
半時間以内にピアース容疑者の住所がテネシー州パリスにあることを突き止め、地元警察に電話し、異変がないかその家の様子を見に行くよう伝えた。
パリス警察署のデレク・コリー捜査員がBuzzFeed Newsに伝えたところによると、警官らは午後11時45分頃に家を訪問し、ピアース容疑者(33)、子供たちの母親のジェシカ・ウッドワース容疑者(36)、そして2人の子供たちを見つけた。
「子供の顔に、虐待によると見られるあざを確認した」とコリー捜査員は言う。
警官らは、約20か月の子供を診断のために地元の病院に連れて行き、ピアースとウッドワースの両容疑者を、児童虐待および育児放棄の容疑で逮捕した。
2人とも、それぞれ保釈金20万ドルを設定されたうえで勾留されている。
11歳の女の子はイリノイ州に住む父親の元に戻され、幼児はテネシー州児童保護局に引き取られた。
コリー捜査員によると、ピアース容疑者は子供の実父ではなく、2008年に児童虐待で有罪判決を受けている。ピアース容疑者とウッドワース容疑者は、ネットで知り合い、デートを重ね一緒に住むようになってから3か月から4か月になると警官たちに伝えたという。
コリー捜査員によると、2人は11歳の娘を父親のもとから引き取った帰りに、パデューカ市にあるオリーブ・ガーデンに立ち寄ったという。
クーパーさんとコールドウェルさんが今回のできごとを通報したことをコリー捜査員は称えている。
「今回の結果につながった2人の協力は素晴らしいものでした」と、コリー捜査員は言う。「このような状況に目を留めて、実際に警察に知らせてくれるような市民がもっといればいいのですが」。
今回の通報は州境を越えるものだったが、自分の任務を果たしピアース容疑者を見つけ出したに過ぎないと思っている、とコールドウェルさんは語る。
「対応しなくてはならないというわけではありませんでしたが、同じことが100回起こったとしても対応したと思います」と彼は語る。緊急通報指令室のオペレーターである彼は、同様の電話を受けることは頻繁にあるが、関係者を実際に見つけ出すことができるのは稀だと言う。「今回のような成果があがることはめったにありません。関係者を見つけられないこともあります。それがこの仕事のイケてないところです」。
事件直後にクーパーさんをインタビューすることはできなかったが、誰でもあのような状況に直面したら彼女のように行動してほしい、とコールドウェルさんは付け加えた。
「彼女の行いは最高だったし、あらゆる人に認められるべきです」とコールドウェルさんは言う。
この記事は英語から翻訳・編集しました。