銃撃事件の取材中、犯人が現場に戻り…記者ら5人が死亡「すべての記者にとっての悪夢」

    米フロリダ州で2月22日、銃撃事件を取材していた記者ら5人が、現場に戻ってきた犯人の男に射殺される事件が起こった。殺害された記者の婚約者は、ツイッターで自身の心境を綴った。

    アメリカ・フロリダ州オーランドで2月22日、銃撃事件を取材していた記者ら5人が、現場に戻ってきた犯人の男に銃で殺害される事件が起きた。

    男は28日、第一級殺人罪や殺人未遂のなどの罪で起訴された。

    最初の事件が起きたのは、22日の午前11頃。銃声の音が聞こえたと通報を受けた警察が、被害者の車内で射殺されたナターシャ・オーガスティンさん(38)を発見した。

    地元オレンジ郡のジョン・ミナ保安官の発表によると、ナターシャさんを殺害した罪で起訴されているキース・メルビン・モーゼス被告(19)は、最初の被害者を射殺したとみられる数時間後に再び事件現場に戻った。事件発生の報せを受けて取材に駆けつけた報道陣の車に向かって発砲したという。

    この銃撃で、地元テレビ局のディラン・ライオンズ記者(24)が死亡、カメラマンが重傷を負った。

    その後、現場から逃走したモーゼス被告は近所の住宅に押し入り、家にいたヨンナ・メジャーちゃん(9)と母親に向かって発砲。ヨンナちゃんは病院で死亡が確認された。

    保安官の発表によると、モーゼス被告は家の裏口からヨンナちゃんの家に侵入したとみられる。母親は捜査関係者に対し、「普段は裏口のドアに鍵をかけているが、犬を外に出す際は鍵を開けたままにすることもあった」と語ったという。

    射殺されたディラン記者の同僚ジョン・ミラーさんは、Spectrum News13のインタビューで、彼の人柄をこう説明した。

    「仕事熱心の人でした。ディランは、自分の仕事が大好きだったんです。世の中の人にニュースを伝えることに対し、情熱を持っていました」

    ディランさんの婚約者であるケイシーさんは、自身のツイッターで「最愛の人が殺されました。もう2度と以前の私には戻れません」と心情を明かしている。

    モーゼス被告と最初の被害者であるナターシャさんは知人だったことが判明したが、殺人の動機は今のところ不明だという。

    記者会見でジョン・ミナ保安官は、「母親、9歳の子ども、記者…。私たちのコミュニティにいる誰一人として、銃暴力の犠牲者になるべきではありません」と語った。

    WESHテレビ局のルアナ・ムノス記者は、今回の事件を報道している際中、涙ながらにこう訴えた。

    「今回の事件は、すべての記者にとっての悪夢です。私たち記者は皆、家に帰るとき、このような事件が起こるのではないか恐れています。それが、現実に起こってしまったのです」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン