ジョージ・フロイドさんの死亡事件から1年、「最期の瞬間」を目撃・録画した少女がコメント

    世界中に拡散されることとなった動画を撮影した少女は、「あの事件で人生の見方が変わった」と投稿した。

    アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス近郊で、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが警官に押さえつけられて死亡した事件から、25日で1年が経った。

    ジョージ・フロイドさんが警官らから拘束されている様子の動画を、後に多くの人が見ることになった。その動画を撮影したのは、ダーネラ・フレイジャーさん(18)だ。

    彼女は、フロイドさんの最期の瞬間を目撃した。それが彼女の人生に与えた影響について振り返り、フロイドさんの命日である25日にフェイスブックに投稿した。

    「フロイドさんは赤の他人だったけれど、彼の命が大切であることはわかっていました。彼が苦しんでいたこともわかっていました。彼もまた、無力で危険にさらされている黒人の一人だということも、わかっていました」

    Minneapolis Police Department via AP

    事件現場にいたフレイジャーさん(左から2番目)ら目撃者の姿が警察のボディカメラに収められている。

    フレイジャーさんは、フロイドさんの首に膝を押し当て殺害した元ミネアポリス警察官、デレク・ショーヴィン被告の裁判で証言した。4月20日、ショーヴィン被告が有罪判決を受けたのは、フレイジャーさんが記録した動画のおかげでもある。

    2020年5月25日、9歳のいとこと店に向かって歩いていたフレイジャーさんは、ジョージ・フロイドさんが「息ができない」と訴えているのを目撃した。その日はフレイジャーさんにとって「普通の日 」であり、「その後に起きた事件を目撃する準備さえできていなかった 」と書いている。

    フレイジャーさんは投稿の中でこう述べている。「あの事件は私を変えました。また、人生の見方が変わりました。アメリカで黒人として生きることが、いかに危険であるかを実感しました」

    Jason Armond / Los Angeles Times via Getty Images

    フロイドさんの殺害現場近くにあるお店の外にある、仮設の慰霊碑と壁画。2020年5月31日撮影。

    フレイジャーさんは今でも、1年前に目撃した事件の重みを痛感しており、トラウマも抱えているという。トラウマから多少回復したものの、事件は彼女を変えてしまったそうだ。

    「私の子供時代の一部が奪われてしまった」

    フレイジャーさんは、フロイドさんの死後、数週間にわたってパニック発作や不安感に襲われ、眠れない日々が続いたという。また、常に多くの記者が自宅玄関の前にいた。彼女と家族は安心できなくなり、家を出なければならなかった。

    4月20日、ショーヴィン被告に有罪判決が下された後、何百人もの人々がフレイジャーさんの投稿に返信し、彼女をヒーローと称えた。しかし25日のフレイジャーさんの投稿では、自分を英雄だとは思っていないと書いている。

    「この笑顔、様々な賞、表に出ている情報の裏で、私は毎日思い出すあの光景から逃れようとしている、一人の少女でもあります。様々な人が、フロイドさんの死を記録した少女について話していますが、実際にその少女になることとは、また別の話です」

    それでもフレイジャーさんは自分の行動を誇りに思っているという。自分なしでは「世界は真実を知らなかっただろう 」と書いている。

    「フロイドさん、あの事件がもっと違う展開になっていたら、と思うと言葉になりませんが、あなたがいつも私の心の中にいることを知っていてほしいです。あなたのおかげで、この日のことはずっと忘れません。安らかにお眠りください」

    フレイジャーさんの投稿(英語)はこちらから。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:アシュウェル英玲奈