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Amazonのステマ&転売で荒稼ぎ。そのカラクリとリスク

副業感覚ではじめる人もいるが、リスクは0ではない。

Amazonの「ステマレビュー」が問題となっている。良いレビューを不正に買い集める業者がいるのだ。

Shunsuke Mori / BuzzFeed

BuzzFeed Japanはこれまでの取材で、SNSを使い不正にレビューを集める方法や、商品・販売者の情報を操作しながら、ノーブランド商品を「人気商品」に仕立て上げる手口を紹介してきた。

偽レビュー投稿は簡単で、うま味も大きい

Amazonのステマレビュー集めの古典的な手法として、SNSを使用する方法がある。

FacebookやLINE、WeChatなどのグループが、レビューを求める販売者と、その対価を求めるレビュアーをつなぐプラットフォームとなっているのだ。

取引に必要なのは、SNSとPaypal等のアカウントだけ。 Shunsuke Mori / BuzzFeed,いらすとや

取引は大まかに、図のような流れで行われることが多い。販売者は無料(または割引価格)でレビュアーに商品を提供するかわりに、高評価のレビューを得る。シンプルな仕組みだ。

レビュアーはレビューさえ投稿すれば商品を開封する必要もないので、商品を転売することもできる。

転売マニュアルはたった1000円で買える

ネット上には、こうした転売目的の偽レビューを指南する情報商材が出回っている。

ユーザー同士がスキルを売買できるサービス・ココナラも、そのような商材が販売される場所の一つだ。

「アマゾン 無料」でサイト内を検索すると、不正レビューと転売に関する商品が10件以上表示される(7月30日現在)。

coconala ※画像を一部加工しています。

確認のため1000円のマニュアルを購入してみると、「 0円転売 準備編」「実践編」「出品編」と題した3つのテキストファイルが送られてきた。それぞれ、上述したSNSでの取引について説明する資料だ。

Shunsuke Mori / BuzzFeed

マニュアルの出品者に確認すると、これらの行為がAmazonの利用規約に違反していることは把握しているようだ。その上で、ペナルティを避けるためのアドバイスをしてきた。

coconala ※画像を一部加工しています。

規約違反については読まれたとおりです! なので、1日の回数は控えめにした方がいいですね

さらに安い500円の商品も購入してみた。内容は転売までのやり方をチャットで説明するというもので、出品者は自身で複数のレビューグループも持っているという。規約違反について尋ねると、やり取りが途絶えた。

ココナラはこれらの商品を問題視しており、今年4月に利用規約を改定した際に、監視・ペナルティの強化を行った。

現在、該当商品の流通金額はピーク時(今年2月)に比べ、約10%まで落ちているという。

SNSの副業コミュニティも、偽レビュー勧誘の温床に

同様の情報商材は、SNS上の副業コミュニティでも取引されているようだ。

AさんはTwitterの副業勧誘アカウントから紹介をうけ、約4万円の商材を購入したという。相手から送られてきたのは、Amazonステマレビュー取引についての簡単なマニュアル。

さらにLINEのチャットを使って、レビュー取引のやり方を教えるサポートがあった。実際に取引の現場となるグループにも招待してくれたという。

チャット上でのやり取りの様子。 優しい口調で、疑問などに答える。 (Aさん提供) ※画像を一部加工しています。

Aさんは念の為Amazonに電話で確認したところ、規約違反だと知り、レビューの投稿には至らなかったと話す。

気軽に手を出せる偽レビューや転売ビジネス。法的なリスクは?

氾濫する偽レビューに対して、Amazonとしても手をこまねいているわけではない。

BuzzFeed Japanの取材に対し、アマゾンジャパン広報本部は「レビューの不正に関して世界中で1,000人以上に対して訴訟を提起しています」と回答した

だが、訴訟提起へのハードルは低いとは言えない。早稲田リーガルコモンズ法律事務所の趙 誠峰弁護士は、次のように指摘する。

「出品業者が高評価レビューと引き替えに無料で商品を送る行為そのものが、何らかの犯罪に該当するとは考えられません」

「しかし、そのレビューが事実に反していたり、商品を実際以上にすばらしいものだと誤認させるようなものであったりした場合、出品業者がやらせていると評価されれば、不正競争防止法違反や詐欺罪に問われるリスクはゼロではないでしょう

「そうした場合には、Amazon側が業者に損害賠償を請求できる可能性もある。ですが、訴訟を起こす場合、何を『損害』とみなすかが問題です。『信用が落ちた』といっても、それを数値化するのは簡単ではありません

マニュアルや商材を目にし、気軽な気持ちで偽レビューに手を染めた人には、どのようなリスクが待ち受けているのか。

「偽レビューを作成した者についても、これが直接何らかの犯罪に該当することはありません。無料で商品を受け取ったとしても、その商品について正当なレビューをしている分には、法的リスクを負うことはないでしょう」

「ただし、その内容によって他人の商品の信用を不当に貶めたりすれば、業務妨害罪などの犯罪にあたる可能性はあります」

「また、偽レビューの作成は法律とは別にAmazonの規約で禁じられており、違反すればAmazonからアカウント停止などの制裁を受けるおそれもある。ルール違反ですから、絶対にやめましょう


BuzzFeed Japanは、この問題について引き続き報じていく予定です。情報をお持ちの方は、担当記者までメール(shunsuke.mori@buzzfeed.com)にてご連絡ください。

Shunsuke Moriに連絡する メールアドレス:shunsuke.mori@buzzfeed.com.

Ryosuke Kambaに連絡する メールアドレス:ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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