カリフォルニア州モントレーに住む高校教師、パティ・ブレムさん(44)。レストランで居合わせた男性に話しかけられて礼儀正しく応じたとき、まさかそれが人生で最悪の「恐怖の日々」を引き起こすことになるとは、夢にも思っていませんでした。
「普段こんなことはしませんが、あるエピソードをお話します。3カ月前にサルサ・バーに行った時、男性に話しかけられ、丁寧に応じました。住んでいる場所や職業を聞かれたので、答えたんです。男性は私が住んでいる都市を良く知っており、どの学校で教えているのかと聞かれ、学校名を口にしました」
数週間後、この男性がパティさんの職場に何度もメールを送ってくるようになり、事態は気味が悪く不吉なものに急変します。
「数週間後、職場のアドレス宛に例の男性から、デートをしよう、とメールが届きました。アドレスなんて渡していないし、電話番号も、苗字さえも教えていなかったのに。ちょっと怖いなと思いましたが、返信せずに削除して、そのまま何事もなかったように過ごしました」
それから数カ月後、パティさんは、男性が職場に来てパティさんを探していたと聞かされます。
「今日、校長先生と副校長先生とおしゃべりしていたら、教務の人から『あなたの旧友のXXさんが挨拶にきている』と言われました。誰のことか分からなくて、混乱しました」
「副校長も『ああ、その男性、昨日も来たよ。あなたは帰った後だったけど。あなたの仕事が何時に終わるのか聞いてきた』と。男性の苗字を聞いて、あのメールが頭をよぎりました」
「男性は、車に戻って私が仕事を終わるのを待っていたようです。校長が外へ行ったところ、男性はその場を離れました。でも、すぐ近くに車を停めて、私が帰宅するのを見届けようとしているのが見えました。それで私たちは、学校に常駐している警察官に連絡しました」
「私が別の出口から出て来るかもしれないからと、男性が車で学校の周りを回り始めました。ちょうど私の同僚は帰宅するところだったので、男性の後をつけることにしました。最終的に、男性が車を停めたところで同僚が窓を開けてビシッと言ったら、男性はやっと去って行きました」
パティさんは「学校名を教えてしまった自分が世間知らずだった」と後悔の念を明かしました。
パティさんは続けます。「最初は、男性から連絡が来た時、ゾッとしました。でも無視していれば(デートの誘いに対する答えは)『NO』だと伝わるだろうと思いました」
パティさんは、警察に相談します。男性からのメールに対し「答えは『NO』です。もう二度と連絡してこないでください」と返事をするよう促されたそうです。
自分の経験をツイッターに投稿した理由について、パティさんは次のように語ります。
残念なことに、パティさんのような経験は、決して珍しいものではありません。望まないまま男性から距離を詰められ、身の危険を感じたり、嫌な思いをした女性は多くいます。時にはそれが、暴力や死を招く結果になることも…。
「私の経験は、思っていた以上によくあることだと思います」とパティさんも話します。
パティさんはこの出来事を経て、見知らぬ人への対応が「永遠に変わってしまった」といいます。
「今後、個人情報は絶対に渡しません。たとえそれが、危険には見えない状況でも。積極的にフレンドリーでいるのではなく、常にガードを構えるようになると思います」
女性の安心と安全のため、どんな変化が必要でしょう? パティさんに尋ねたところ、こう返ってきました。
あなたや身の周りの人が性的ハラスメントを経験した場合、相談できる窓口があります。
性犯罪・性暴力に関する相談窓口:性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
携帯電話、NTTアナログの固定電話から→#8891
NTTひかり電話から→0120-8891-77