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「マイノリティ」だけの話じゃない。十人十色の性のあり方を描いた4枚のイラストが話題に。

「自分自身だけでなく目の前の相手への理解も深めることができます」

「虹全体から見たら、紫の色味が青いか赤いかってことくらい細かくてややこしくて微々たる差かもしれないけど、当人としては結構重要だったりする」

そんな言葉とともに4枚のイラストがTwitterに投稿されると、5千を超えるリツイートと1万4千以上の「いいね」が集まりました。

自分が、どんな性別の相手を恋愛対象とするか、自分自身をどんな性別だと認識するかを表す「SOGI」をテーマに描かれ、「言葉があるだけでなんか安心する」「僕『クワ』なんだと、しっくりきました」などとコメントが寄せられています。

そもそも「SOGI」(通称ソジ。ソギとも)とは、Sexual Orientation (性的指向)とGender Identity (性自認)の頭文字をとった言葉です。自分の恋愛対象となる性や自認している性を表す時に使います。

そのため、「LGBTQ+」のようなセクシュアルマイノリティ(性的少数者)に限った話ではありません。

ストレート(異性が恋愛対象で、かつ身体の性と自認している性が一致している人)の場合は、「ヘテロセクシュアルであり、シスジェンダー」と表現することになるのです。

BuzzFeedは、投稿者であるそーすけさん(@ikiruno_nigate)にお話を聞きました。

そーすけさんは、「クエスチョニング」(性的指向や性自認が明確に定まっていない)だと自認しています。

そして、自身の体験談をもとにしたイラストを描き、生きやすい世の中になるよう発信しています。

今回のイラストを描いた経緯について、こう振り返ります。

「僕自身は、『クエスチョニング』という“SOGIを意図的に定めていないセクシュアリティ”だから、カテゴリーはあまり必要としていません。しかし、もしかしたら言葉を知らないだけで、本当はもっとしっくりくるカテゴリーがあるんじゃないかと思い、改めてSOGIについて勉強し直したんです」

「そこで新たな言葉と出会い、アップデートされた知識がありました。それを噛み砕いで理解するため、自分なりにまとめようとイラストにしました」

「発信することの意義」

「SOGI」は、LGBTQ+ほど耳馴染みがないと感じる人もいるかもしれません。

そうした内容を発信することに、そーすけさんはどのような思いがあったのでしょうか。Twitterでは、こう綴っています。

「投稿を見つけやすくする為にセクシャルマイノリティってタグ使ったけど人の数だけ性のあり方は存在すると思うし、全く同じ感覚なんてものは存在しないからマイノリティって言葉の表現はあんまりしっくりきていないのが正直なところです」

「(マイノリティは)全く特殊じゃないと思ってる。 だからこそヘテロセクシャル、ヘテロロマンティックと同じくらいの認知度であって欲しいと思ってこの投稿をしました」

さらに、BuzzFeedにも話します。

「今回の題材は、全ての人間に関係する“指向”だったのでイラストに余計なジェンダーバイアスが掛からないように絵柄を工夫しました」

「過去にも、あまり知られていないセクシュアリティについてSNSに投稿したことがあったんです。その際、『自分の中のモヤモヤした気持ちに名前がついてスッキリした』『自分だけじゃないんだと安心した』というお声をいただいて、発信することの意義を感じました」

「そうやって、セクシュアリティについての言葉を必要としている人の元へ情報が届き、今より少しでも生きやすくなればいいなと思っています」

「実は人間誰にでも当てはまること」

大きな反響があった今回の投稿には、様々な人から多くの声が寄せられました。

「SOGIハラに悩んでいた方から、SOGIを知らなかった方まで、幅広い層の目に止まったことはとても感動しました。カテゴライズすることに肯定的でない意見もあるにしろ、この言葉が存在するという知識そのものを広めようとしてくれる方がたくさんいることがとても嬉しかったです」

Twitterでは、性の多様性やカテゴライズすることに関する考えも書いています。

「性のあり方は十人十色、人の数だけグラデーションのように存在するものだと思っているので、ここに書いてある指向にピッタリ当てはまるということもそうないと思います。ただ何かに属していないと不安と思う人がいる事も事実」

「ここには属さなくてもいいという、自分は自分と強い気持ちを持ってる人も居れば、誰かと共感したい、寄り添い合いたいと思う人もいる。一番大事なのは、目の前にいる相手がどんな色なのかしっかり知る事、それを一つのあり方として大切にする事。そして自分のあり方を大切にする事だと僕は思います」

「僕がまとめた言葉のほかにも、セクシュアリティを指す言葉はまだまだたくさんあります。それを必要とするかしないかは個人の選択です。しかし、知ることそのものは視野を広げ、自分自身だけでなく目の前の相手への理解も深めることができます」

「知らず知らずのうちに、ふとした言葉で傷つけてしまうというのも防げるようになると思います。心を守るためにも、このイラストが知ることの第一歩になれていれば幸いです」

そして、SOGIは「人間誰にでも当てはまり、皆触れてはいる」と話し、より詳しく知りたい人のために学ぶ方法を教えてくれました。

「セクシュアリティを指す言葉について詳しくまとめてくれているものや、投稿者のSOGIに基づく体験談など、関連の記事がネットにたくさんあがっています。なので、それを読むだけでも知見が広がると思います」