来年に持ち越したくない言葉を選ぶ『#流行禁句大賞2020』の大賞が12月28日、発表されました。
事前選定された20句の中から選ばれた大賞は、「なんで鬼滅観てないの」でした。
企画は、一般社団法人「21世紀学び研究所」が主催。
情報番組や記事、SNSから収集した言葉リストと1000人へのアンケートで集めた、2020年に「言われたら嫌」「使わないようにしよう」と思った言葉から、20句までに絞っていました。
12月17日〜27日までの期間中、その中でTwitter上でツイート数が最も多かった句を大賞にしたといいます。
大賞が決まったものの、企画の目的は順位付ではありません。
大賞決定までのプロセスで、ノミネートされた言葉を投げかけられた相手の感じ方を想像し、言葉のベースにある課題について考え、意見を交換しあってほしい、というものでした。
たとえば、こうした言葉が候補に挙がっていました(以下、事務局のコメントも紹介)。
・今日も家にいるの?
ーー出勤をしなくなった人が、朝、家族に言われ、実はとても傷ついていた言葉。中には、勤務開始後に画面越しに上司にも同じことを言われ、ダブルで傷ついた人も。
・日本には人種差別などない
ーー世界で人種差別問題が話題になる際、日本で必ずといっていいほど言われてしまう。人種差別をなくすため、ひとりひとりにできることってなんでしょう?差別が「ない」のと「見えてない」のとでは大違いです。
・誹謗中傷される方も悪い
ーー今年、多くの有名人が、SNS での誹謗中傷に苦しみました。どうして、誹謗中傷は生まれてしまうんだろう。「有名人だから仕方ない」?「傷つくなら読まなければいい」?本当にそうなのでしょうか?
・若者がコロナを広げている
ーー感染が拡大したことを受け、WHOは「原因の一部は若者の気の緩み」 にあると発表。「若者が~」と若者のせいにすることで、分断を生んでしまわない?
大賞に添えられたコメントは?
こうした様々な言葉の中で、大賞となったのが、「なんで鬼滅観てないの」(433票)でした。事務局は、次のようにコメントをしています。
みなさんからの投票で最も「来年に持ち越したくない」と選ばれたのは、大ヒット漫画が過度な同調圧力の材料として使われてしまった、この禁句でした。“好き”の共有は、押し付けになってしまわないように要注意ですね。
2020年という不思議な時代の変わり目に立ち会い、私たちは改めて実感しました。言葉は、時に狂気となってしまうけれど、救いになることもたくさんある、と。
これからも世の中の様々な言葉について、みんなで考え、話し続けていきませんか。2021年、私たちの言葉が変われば、きっと世界も変わるはず。