「来年に持ち越したくない言葉」20句が選ばれたので並べた

    『#流行禁句大賞 2020』が開催されています。2021年に来年に持ち越したくない言葉の大賞は、どれになるのか。

    年末恒例の『ユーキャン新語・流行語大賞』ならぬ『#流行禁句大賞 2020』が、開催されています。

    今年を振り返り、「あらゆる人の視点に立って、来年に持ち越したくない言葉を選び、話し合うこと」を目的に企画され、事前選定した 20句の中から、Twitter上でツイート数が最も多かった句を大賞として発表する予定です。

    一般社団法人「21世紀学び研究所」が主催。

    本企画を行う事務局が、情報番組や記事、SNSから収集した言葉リストと1000人へのアンケートで集めた、2020年に「言われたら嫌」「使わないようにしよう」と思った言葉から、20句までに絞られています。

    12月17日〜27日までの期間中、Twitter 上でのツイート数が最も多かった候補を「流行禁句大賞 2020」として発表するのだそう。

    ただ、大賞を決めるのが目的ではなく、決定までのプロセスで、言葉を投げかけられた相手の感じ方を想像し、言葉のベースにある課題について考え、意見を交換しあってほしい、と呼びかけています。

    大賞の発表は、12月28日の予定です。事務局によって添えられたコメントとともに、20句を紹介します。

    「来年に持ち越したくない言葉」たち

    No.1 医療従事者の子どもは保育園通わせないで

    ーー人の命を救うために働く、医療従事者にかけられた心ない言葉。こどもが保育園に通えなくなったら、医療従事者の方も安心して現場で働くことができません。現場に人手が減る。そうすれば、救えたはずの命が救えなくなる。それで良いんでしょうか?

    No.2 俺は家事も育児もやっている方

    ーー家族内で使われた言葉。今年は家で過ごす時間が増えて、やらなくてはいけない家事も増えました。当然、家事分担のベストバランスはそれぞれの家庭によって全く違います。

    No.3 今日も家にいるの?

    ーー出勤をしなくなった人が、朝、家族に言われ、実はとても傷ついていた言葉。中には、勤務開始後に画面越しに上司にも同じことを言われ、ダブルで傷ついた人も。

    No.4 介護士は休むな

    ーー他にも、看護師、保健所職員、トラック運転手、スーパーの店員など。今年、感染の不安を抱えながら、社会を支えるため出勤し続け、疲弊している人たちがいます。世の中の配慮は、足りていますか?

    No.5 こども部屋おじさんヤバい

    ーー実家を出ずに、実家にある自分の部屋、つまり「こども部屋」でくらす、中年男性に対しての言葉。背景には親の介護や経済的事情など、様々な理由があります。

    No.6 ごめんしばらく帰省しないで

    ーー今年、ひとり暮らしの若者は、学校に行けずアルバイトもできず、ワンルームで孤独な時間を過ごしました。一方、地方の家族には「都会で暮らす子供を帰省させるな」という周囲からの圧力がかかる。来年はこんな事を言わなくて済むようになって欲しいものですね。

    No.7 コロナにかかってごめんなさい

    ーー日本は諸外国に比べ、感染者からの謝罪が多く見られました。社会が必要以上に、謝罪を求める空気をつくっていないでしょうか?また、勇気を振り絞って謝罪した人に対する、私たちの反応は適切でしょうか?

    No.8 コロナにつき外国人お断り

    ーー世界的なコロナの流行で、これまで見えていなかった根深い差別が露出しました。誰もが良くないことだと知っているのに、どうして人種や国籍による差別は、なくならないのでしょうか。

    No.9 コロナはただの風邪

    ーーSNS上でもリアルでも、一部で自信満々に語られた、コロナへの警戒心を低下させ、感染拡大を促すリスクのある言葉。「コロナ感の違い」は今年、社会の分断を生んでしまいました。

    No.10 女性はいくらでも嘘をつける

    ーー「女だから」「男だから」という考え方は、日本に根深く残っています。炎上したこの発言は、女性の衆議院議員のもの。言った本人だけでなく、聞いて受け入れてしまう周囲の姿勢にも、課題があるのでしょうか?

    No.11 スポーツ選手は政治的発言をするな

    ーー今年大坂なおみ選手が、黒人差別の被害者の名前入りマスクを着用し、試合に出場した際、多く言われた。もしもあなたが、応援するスポーツ選手と、政治的スタンスが異なったら、どうしますか?

    No.12 他県のナンバープレート来んな

    ーーコロナは県境に壁をつくり、地方と都市の分断を生み、「他県ナンバー狩り」と呼ばれる悪質な嫌がらせも発生しました。自粛の呼びかけと、自粛警察って、何が違うんだろう?

    No.13 なんで鬼滅観てないの

    ーー今年の大ヒット漫画『鬼滅の刃』が、過度な同調圧力の材料に使われてしまっている事例。「キメハラ」という言葉も話題になりました。一方で、好きを共有したい人たちの気持ちも、無下には出来ません。

    No.14 日本には人種差別などない

    ーー世界で人種差別問題が話題になる際、日本で必ずといっていいほど言われてしまう。人種差別をなくすため、ひとりひとりにできることってなんでしょう?差別が「ない」のと「見えてない」のとでは大違いです。

    No.15 誹謗中傷される方も悪い

    ーー今年、多くの有名人が、SNS での誹謗中傷に苦しみました。どうして、誹謗中傷は生まれてしまうんだろう。「有名人だから仕方ない」?「傷つくなら読まなければいい」?本当にそうなのでしょうか?

    No.16 夜の街は全店営業を停止しろ

    ーー小池都知事が使った「夜の街」という言葉で、様々な店舗がひとくくりにして語られるようにな ってしまいました。特に娯楽に関わる仕事が、“不要不急扱い”されることも。でも、娯楽が無い世界で生きていけますか?

    No.17 リモート授業でラッキーだね

    ーー学生たちが、周囲からかけられた言葉。大学は、2020 年後期も多くの講義がリモートです。楽しみにしていた学生生活。友だちにもなかなか会えず、サークル活動などもあまりできないままなんて、本当は嫌に決まっています。

    No.18 リモートワークはサボるから禁止

    ーーむしろ今、リモートワークによる「働きすぎ」が懸念されている。また、疑心暗鬼の末に行きすぎた管理システムの導入に、ストレスを感じる人が増えている。「リモハラ」という言葉も生まれました。だけど、管理する側にも相当な負担がかかっていることも、忘れないでください。

    No.19 レズやゲイが法律で守られたら足立区は滅びる

    ーー足立区議員が議会で発言し、炎上した言葉。多様なセクシュアリティへの理解は、進みつつあります。一方で、その理解度には大きく差が開いてしまっています。

    No.20 若者がコロナを広げている

    ーー感染が拡大したことを受け、WHOは「原因の一部は若者の気の緩み」 にあると発表。「若者が~」と若者のせいにすることで、分断を生んでしまわない?

    なお、投票のためのツイートは、公式ホームページから行えます。