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私たちが「だから、あなたは一人じゃない」と言う10の理由

主語が「私(me)」から「私たち(we)」へ広がったら、社会はどう変わっていくのだろうか。

性暴力やハラスメントの被害にあった人を一人にしないためのプラットフォーム「#WeToo Japan」が立ち上がった。

「#WeToo」には、これまで当事者が声を上げ、社会に訴えてきた「#MeToo」のムーブメントの主語を、「私(me)」から「私たち(we)」へ広げていきたいという思いが込められている。

「私たち」があらゆるハラスメントや暴力に対して声を上げ、それぞれができることを始めたら、当事者を取り巻く環境や世の中はどう変わっていくだろうか。

BuzzFeed Newsは3月3日に開かれた#WeToo Japanスタート記念イベントの登壇者や参加者10人に、「#MeTooを#WeTooに広げ、『あなたは一人じゃない』と声を上げる理由」を聞いた。


「もうやめよう、と言いたいから」

「私もハラスメントや暴力について無知で、今思うと悔いの残るような、恥ずかしくなるようなこともしていたなと、今回(の#MeTooムーブメントで)気づきました」

「だったら、黙らないで、もうやめよう。あれはおかしかったよね、やっちゃいけなかったよね、じゃあもうやめようと言える人が増えたらいいなと思ったからです」

「やっぱり腹がたつ」

「性暴力に限らず、パワハラやSOGIハラは、全て社会的に弱い立場に立たされている人が標的になってしまうことが多くて。それって、言葉を選ばずに言うと、単純に腹がたつ。ムカつくんですよね」

「こうした問題は一人で抱え込むには大きすぎるし、重すぎる。誰かに言えるだけで少しは気持ちが軽くなる人もいるかもしれないし、みんなで声を上げることで、実際の被害の予防にも繋がっていくはずだと思います」

「共感する気持ちさえあれば、仲間になれる」

「私自身、『#MeToo=私も性暴力の被害者です』だと思っていました。だけど『#WeToo』なら、私もこの問題に関心があります、共感します、という気持ちさえあれば仲間になれるのかな、と」

「社会を変えていくのは、非常に難しい。でも、例えば、自分の何十年という会社生活を振り返ってみて、もし間違っていたなら少しずつ改めていけばいい。そういう人が増えれば、塵も積もればで世の中は変わっていくんじゃないかと。大きな希望ですけど、そんな気がします」

「被害を受けた人は、名前のある人ばかりじゃない」

「私も性暴力被害の当事者ですが、被害を受けている人は、名前がある人ばかりじゃない。色んな被害を受けている人がいて、言えない人もいっぱいいる」

「まず偏見を持たずにただ聞く。間違った私見を挟まずに、ただ聞いてほしい。被害を受けた当事者だけの問題じゃなくて、自分の問題であり、一番大切な人の問題だと思って、関わっていく人が増えたらいいなと思います」

「話を聞いてくれるだけで、全然違う」

「私は社会人1年目の時に、取引先からセクハラを受けていました。その時周りの人が助けてくれて、だから今度は私が苦しんでいる人を助ける番かなと思って、今日ここに来ました」

「話を聞いてくれたり、声をかけてくれたり、私も同じ思いを持ってるよって言ってくれる人がいるだけでも全然違います。私も『一人じゃないんだよ』と伝えられたらいいなと思っています」

「仲間が、イヤだと伝えることができたら」

「僕自身、男性同性愛者の当事者として、このキャンペーンに賛同しています。LGBTは様々なハラスメント受けていますが、声を上げることにはカミングアウトが伴うため、イヤだと言いづらいことが多くあります」

「だから当事者が声を上げるよりも、周りの『アライ』と呼ばれる仲間が伝えることがすごく大切であり、力をもらえることだと思います」

「ハラスメントは日常の中にあるから」

「ハラスメントや暴力、差別は、職場や日常の何気ない会話、普段の生活の中に常にあるものだと感じているからです」

「今まで私たちはあまりにも無自覚で、自分が傷ついていることも見て見ぬふりをしたり、あるいは自分が人を傷つけたりしたことが、たくさんあったんじゃないかなと思うからです」

「私も私のオフィスで始めたい」

「私たち多くの人間が組織の中で働いています。私も国連のUN Womenという男女平等を推進しているユニットに属していますが、じゃあ国連の中全てが完璧かというと、決してそうではないです」

「マジョリティとは違う視点、これまで制度を規定してこなかった視点を持っている人たちの声をどういう風に取り上げ、みんなの課題として議論し、具体策を作っていくかは私たち一人ひとりの課題です。私自身も私のオフィスで、始めようと思っています」

「一人ひとりに力があるから」

「私が『#WeToo』と言いたい理由は、性暴力やハラスメントをなくす力は、私たち一人ひとりにあると思うからです。それは周りの人を変える力、自分を変える力だなと感じています」

「いま、これからの社会をどうしていくのかを、コミュニティ全体で考える時が来ているなと思います。みんなで良い社会、良いコミュニティを目指していこう、一人一人がお互いを高め合おうという考えが『#WeToo』には、込められていると思います」

「私も誰かのブランケットになりたい」

「今まで外に出て自分の体験を話すときっていうのは、いつも傷を公にして、裸になってしまうような気持ちでした」

「でも、直接言葉をかけてもらったり、(『詩織さんとともに声をあげよう』という署名活動に集まった)2万5000筆の署名を膝に載せていたら、どんどん温かくなってきて。こんなに多くの人に、ブランケットをかけていただいたんだなと感じました」

「明日からできること。まず一番は想像力が大切だと思います。自分の一番大切な人を思い浮かべて、その人がこういった経験をしたらどうなってしまうか、それに対して自分は何ができるかをまず想像していただくこと」

「署名だけでも、これだけ誰かのサポートになることを、私も実際に膝にのせてみるまでわかりませんでした。だから、私も誰かのブランケットになりたいと思います」


BuzzFeed Japanはこれまでも、性暴力に関する国内外の記事を多く発信してきました。Twitterのハッシュタグで「#metoo(私も)」と名乗りをあげる当事者の動きに賛同します。性暴力に関する記事を「#metoo」のバッジをつけて発信し、必要な情報を提供し、ともに考え、つながりをサポートします。

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