日本最大級のLGBTQイベント「東京レインボープライド2021(TRP)」が4月24日〜5月5日にかけて開催されています。
4月25日には、様々なゲストが登場するトークライブ「#おうちでプライド2021」が配信され、TRPの10~20代のボランティアスタッフが、作家の乙武洋匡さんやタレント・アーティストのりゅうちぇるさんと、様々なテーマについて話し合いました。
「彼氏いるの?」ではなく…
東京レインボープライドでは今年2月、10~20代のボランティアメンバーを中心に若い世代の声を発信していくグループ「YOUTH PRIDE JAPAN」を発足。
25日のトークライブでは、10~20代のLGBTQ当事者から寄せられた、今悩んでいることや困っていることをテーマに語り合いました。
YOUTH PRIDE JAPANメンバーで、高校生のシマコさんは友達と普段、恋話をしている中で何気なく出てくる「彼氏ほしいなあ~」という言葉にも、男女の関係が前提されていると感じるとコメント。
「そうした言葉からも『普通』が何かの概念が作られていると思うので、その概念を変えていくことで、みんなが生きやすくなるのかなと思う」と話しました。
りゅうちぇるさんは、「どうしても人は、自分にとってわかりやすいものに他者を分類しがちだけど、例えば女の子と話しているときに『彼氏はいるの?』と言ってしまうところを、『パートナーは…』と話すだけでも変わってきますよね」と提案しました。
乙武さんは、小学校で教員をしていた頃、教科書に「男の子が女の子を好きになり、女の子が男の子を好きになる時期を思春期と言います」という記述があったことを振り返り、こう語りました。
「僕はその時、これはまずいと思ったので、すぐに教科書をパタンと閉じて」
「教科書にはこんな風に書いてあるけど、男の子が男の子を好きになることも、女の子が女の子を好きになることもある。数が多いか少ないかで言えば少ないかもしれないけど、だからと言って決しておかしなことじゃないし、それを笑ったりしていいものではないよ、と伝えました」
「僕はたまたま身近に当事者の友人がいて、LGBTQに関する知識があったから、そう伝えられたけれど、やっぱりそういう先生ばかりではないですよね」
「だからこそ教科書にちゃんと、LGBTQに関する情報を盛り込んで、どんな先生でもその事実をきちんと伝えられる社会になってほしいなと思います」
意識を変えるためには「社会の壁」を取り除く
後半では、LGBTQや身体障害者など、社会の中でマイノリティに当たる人たちに対するステレオタイプの存在もテーマに。
乙武さんは「『障害のある人はかわいそう』と言われたこともありますが、そうした人々の意識は、実質的な社会の壁や制度と密接に結びついている」と語り、意識を変えるためには、現実に存在するバリアを取り除いていくことが大切だと話しました。
「まだまだ世の中は階段だらけでバリアがあるだから、『障害のある人は生きづらいだろうな』っていう人々の意識や感情に繋がっちゃっていると思います」
「だから障害があっても関係なく、自由に行動できる社会になればいいと思うし、LGBTQであれば、今は制度的に結婚ができないから『あの人たちかわいそうだよね』と思われちゃっているかもしれない」
「それなら、どんな人でも結婚できるように社会を変えていけばいいじゃない、と。社会の方を整えていくことで、人々の意識を変えていくアプローチも必要だなと僕は思います」
りゅうちぇるさんは2018年に第一子が誕生した際に、「パパになったんだから、やっぱりメイクもやめないとね」「メイクしているパパなんてありえない」と言われた経験を振り返りました。
「僕はやっぱり自分らしく生きているからこそ、幸せになれたと思っているので、その姿を息子にも見せたいと思っています」
「だからやっぱり何年かけてでもいいから、自分らしい姿で生きて、幸せになれるということを、みんなに届けていきたいなと思っています」
プライドウィークは5月5日まで
東京レインボープライドのプライドウィークは5月5日まで。「LGBTQの今を知る15選」として、性的マイノリティを取り巻く様々なトピックについて、専門家が紹介するセッションを配信します。
詳しいイベント内容は、東京レインボープライドの公式HPやTwitterから。
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LGBTQをはじめとする性的マイノリティの存在を社会に広め、“性”と“生”の多様性を祝福するイベント「東京レインボープライド」。BuzzFeed Japanは2021年4月23日(金)〜5月1日(土)にかけて、性的マイノリティに焦点をあてたコンテンツを集中的に発信する特集を実施します。
特集期間中、Twitterではハッシュタグ「#待ってろ未来の私たち」を使って、同性婚やパートナーシップ制度などのトピックをはじめ、家族のかたちに関する記事や動画コンテンツを発信します。
同性婚の実現を求めて全国のカップルが国を訴えた裁判や、各地でのパートナーシップ制度の広がりなど、少しずつ社会が変わり始めている今だからこそ、「より良い未来に生きる私たち」に向けて、「2021年の私たち」からのメッセージを届けます。