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この街で、僕らは「家族」じゃないのはなぜですか?小池都知事に要望書を提出

東京都でも同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」を創設するよう求めて、有志の団体が3月22日、小池百合子都知事に要望書と署名を提出した。

同性婚をめぐる議論が活発になるなか、東京都でも同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」を創設するよう求めて、有志の団体が3月22日、小池百合子都知事に要望書と署名約1万8千筆を提出した。

要望書を提出したのは「東京都にパートナーシップ制度を求める会」。同性パートナーと10年以上、東京で共に暮らしている山本そよかさん(36)が代表を務め、3月上旬には都議会に同じ趣旨の請願を提出した。

パートナーシップ制度は、異性カップルが利用できる「婚姻制度」とは異なり、法的な効力は持たない。

しかし、自治体が同性カップルの関係を家族と認めることで、一部の家族向けサービスや福利厚生を利用できるようになるほか、性的マイノリティに対する差別や偏見の解消、当事者が安心して暮らすことのできる環境づくりにも繋がると考えられている。

【お知らせ🏳️‍🌈】東京都におけるパートナーシップ制度創設へ向けて、東京都議会へ請願を提出、そして、小池百合子東京都知事へ要望書と賛同署名をお渡し致しました!

Twitter: @PartnerActTokyo

3月16日現在、パートナーシップ制度は全国79の自治体に広がり、日本の総人口の34.1%がカバーされている(同性パートナーシップ・ネット調べ)。

都道府県レベルでは、茨城県・群馬県・大阪府が、府県として制度を導入している。一方、東京都では都内62市区町村のうち、制度が導入されているのは10自治体に留まっている状況だ。

同会は、都内の全市区町村で導入されるまでには、長い期間がかかることが予想されることから、都としての制度導入を求めている。

「家族として認められていないのは…」

発起人には、日本最大のLGBTQイベント「東京レインボープライド」で共同代表理事を務める杉山文野さんも加わった。

杉山さんはトランスジェンダー男性で、日本で戸籍上の性別を変更する要件となっている「性別適合手術」を受けていない。

そのため、2人の子供を一緒に育てているパートナーとは、法律上「女性同士」と見なされてしまい、現行の制度では結婚することができない。

「うちの両親は東京で商売をして70年、僕は東京で生まれて40年、彼女と東京で暮らして10年、そして子供が生まれてから2年がたちます」

「しかし、いまだに役所や病院、生活のあらゆる場面で『家族』と認めてもらえないのは、寂しいものがある。小池知事にはそのようにお伝えしました」

コロナ禍でこうした不安はさらに強まっている。杉山さんも先日、濃厚接触者であることが判明した際に、病院や保健所に対して自分の性別や同居している家族との関係について、繰り返し説明する必要があったという。

「僕はオープンにしていますが、オープンにしていない人の方がはるかに多く、たくさんの人が生活のあらゆる場面で、困難に直面しているということを伝えました」

小池知事「調査などで声を拾い…」

発起人らによると、小池知事からは「都内に様々な人が暮らしていることは理解している。実態調査などを通じて様々な人の声を拾い、しっかりと取り組んでいきたい」という趣旨の回答があったという。

都では、東京オリンピック・パラリンピックの開催に備えて、性的マイノリティの権利保護に向けた法整備などが進められてきたが、パートナーシップ制度の導入に関しては、明確な方針が示されていない。

昨年12月に開かれた東京都議会定例会の代表質問でも、高倉良生議員(公明党)からパートナーシップ制度の導入を求める質問が上がった。

この時、小池知事は「同性パートナーシップ制度は、婚姻関係のあり方そのものにかかわるものでありまして、広く国民の理解を得ていくべき課題と認識」していると発言。

「引き続き、国内外の動向や社会情勢の変化などを踏まえながら、広く都民や当事者の意見を把握するため、実態調査の実施を検討するなどして、当事者のニーズに即した施策を展開してまいります」との回答に留めている。

「東京都にパートナーシップ制度を求める会」では、東京都在住・在勤の人を対象に、パートナーシップに関するアンケートも実施している。アンケートはこちら(https://forms.gle/vpDbMnHCATXSw91C8)。


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