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「自民党はこの3年間で何も学ばなかった」 謝罪と辞任を求めて、9万4千筆を超える署名を提出

自民党の議員が性的マイノリティに対して差別的な発言をした問題で、謝罪や撤回、辞任などを求める署名約9万4千筆が自民党本部に提出された。

「LGBT理解増進法案」をめぐる自民党の会合で、反対派の議員が性的マイノリティに対して差別的な発言をした問題で、当事者らが立ち上げた有志の団体が5月31日、発言した議員の謝罪や撤回、辞任などを求めて、署名約9万4千筆を自民党本部に提出した。

呼びかけ人のひとりの松岡宗嗣さん(一般社団法人fair理事長)は「短期間で9万筆もの署名が集まったのは、LGBT当事者もそうでない人も、今回の発言を問題だと受け取ったからこそ。自民党はその声を重く受け止めるべき」と語る。

(*この記事には差別的な発言についての記述が含まれています。閲覧にご注意ください)

「直球の差別」と批判が殺到

朝日新聞などによると、「LGBT理解増進法案」について審査する自民党の会合で、簗和生・衆院議員が「(LGBTは)生物学上、種の保存に背く。生物学の根幹にあらがう」などと発言した。

発言が報じられると、Twitterでは「直球の差別」「だから性的マイノリティに対する差別を禁止する法律が必要なんだ」などと批判の声が上がった。

署名では、簗議員らに対して謝罪や発言の撤回、辞任を求めるとともに、自民党総裁の菅義偉首相に、党を代表しての謝罪と、議員への辞職勧告を求めている。

「自民党は何も学んでこなかった」

自民党では、2018年にも杉田水脈・衆院議員が「(LGBTは)生産性がない」などと主張する寄稿を書き、批判が殺到した。

その際、自民党は「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」とする見解を発表したものの、杉田議員を処分することはなく、「指導」するにとどめた。

松岡さんは「LGBTは種の保存に反するという発言は、杉田議員の発言と根本は同じで、優生思想に基づいたもの。今回の問題で、この3年間で自民党が何も学んでこなかったことが、露呈したと言えると思います」と指摘する。

「自民党は新法案で『理解増進』を掲げていますが、理解し、学ぶべきなのは自民党自身。きちんと発言の責任を取り、当事者とちゃんと会って話をし、差別をなくす法律を作ってほしい」と語った。