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「男女間格差、世界121位」の現実を示す7つの数字

世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」で、過去最低の121位を記録した日本。皆さんは身の回りで「ジェンダー・ギャップ」を経験したことはありますか?

世界各国において「男女間格差」がどれほど存在しているかを調べ、国ごとに比較した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」。

世界経済フォーラム(WEF)が先月発表した報告書によると、日本は調査対象になった153カ国中121位と、過去最低の順位を記録しました。

「他の先進国よりもはるかに男女間格差が大きい」

ジェンダー・ギャップ指数とは、経済、教育、健康、政治の4分野14項目をもとに、男女間格差の状況を点数化したものです。

14項目の中には、「国会における女性議員の割合」「管理職における女性の割合」「過去50年間で女性が国家元首を務めた年数」などが含まれています。

今年の報告書で日本は、「他の先進国よりもはるかに男女間格差が大きく、もっとも深刻で、この1年間でさらに拡大した」と評価されました

その背景には、国会議員や閣僚、企業の管理職など重要な役職に就いている女性の比率が依然として低く、スコアが低いことが挙げられています。

日本の政治や経済における「ジェンダー・ギャップ」はどのような状況にあるのか。7つの数字を紹介します。

1. 衆議院議員のうち、女性議員の割合は10.1%

内閣府男女共同参画局の「女性の政治参画マップ2019」によると、衆議院議員の女性比率はわずか10.1%でした(2019年7月26日現在)。下院または一院と比較した場合、世界平均は24.3%となります。

また、参議院の女性比率は22.9%です(2019年7月30日現在)。上院の世界平均は24.4%と、両院において世界平均よりも低い数字となっています。

2. 安倍内閣の女性比率は2/19

昨年9月に組閣された「第4次安倍第2次改造内閣」において、女性は19人中2人。高市早苗・総務相と、橋本聖子・五輪相の2名です。

改造前の内閣には、女性閣僚が1人しかいませんでした。ジェンダー・ギャップ指数の政治分野において、日本は144位とされており、世界ワースト10に入っています。

3. 都道府県内すべての議会に女性議員が一人はいるのは、福井県と大阪府のみ

47都道府県のうち、すべての議会に少なくとも1人は女性議員がいるのは、福井県と大阪府のみでした。女性議員が一人もいない市区町村議会がある都道府県は、45にのぼります(2018年12月31日現在)。

女性議員がいない議会の割合が最も高いのは、青森県。県内の議会の半数が「女性議員ゼロ」でした。

次に奈良県内の議会の35.9%、熊本県内の35.6%、沖縄県内の34.1%、福島県内の33.9%が「女性議員ゼロ」でした。

4. 女性知事は2人だけ

現職の女性知事は、東京都の小池百合子知事と、山形県の吉村美栄子知事の2人のみです。また、時事通信によると、歴代で振り返っても、女性知事は7人しかいません。

5. 企業における女性管理職の割合は、11.8%

企業規模10人以上の職場において、「課長相当職以上の管理職」に占める女性の割合は11.8%でした。2009年まで遡っても、9〜12%前後で大きく変化していません。

2020年4月に施行される「改正女性活躍推進法」では、常時雇用する労働者が301人以上の事業主に対して、「採用した労働者に占める女性労働者の割合」や「男女別の配置の状況」などを公表し、それぞれ関連する数値目標を定めた行動計画を届け出るよう求められています。

6. 経団連役員の女性比率は0%

日本経済団体連合会の役員は現在、全員男性です。2015〜2018年まで役員を務めた故・吉田晴乃さんが、経団連初の女性役員でした。

7. 「指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに30%程度に」

実は、内閣府の男女共同参画推進本部は2003年、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標を掲げました。

指導的地位とは「①議会議員、②法人・団体等における課長相当職以上の者、③専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者」を含むと定義されています。

特に専門性が高い職業の代表例には、医師、獣医師、弁護士、会計士、記者などが含まれています。

この目標は「2030(2020年30%)」と略され、女性登用を推進する取り組みのキーワードとして注目されていた時期もありました。

ところが、実際の数値は目標の30%からほとど遠く、期限の2020年が近づくにつれて、この数字を目にする機会も減っていきました。

「2030」はどこに行ったのか

内閣府男女共同参画局・推進部の担当者によると、この目標が撤回されたり、修正されたりしたことはなく、現在も目標として「生きて」いるそうです。

ただ、「2020年までに」という言葉が「2020年になる前に」なのか「2020年中に」なのかは曖昧で、「~期待する」という言葉からも「目標というほど目標なのかな、という部分はある」と言います。

実際に、2015年に閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」では、2020年までに30%を目指して「引き続きさらなる努力を行うのは当然である」とした上で、一部の項目について、新たな「成果目標」を設けました。

例えば、「民間企業の課長相当職以上に占める女性の割合」の成果目標は15%程度、「国の本省課室長相当職以上に占める女性の割合」の成果目標は7%と、30%よりも大幅に低い数値が設定されています。

推進部の担当者は「元々の2030目標においても、全ての指導的地位を一つひとつ見て、全部30%を超えるようにとは要求しておらず、全体的に見て30%あるといいですよね、ということだと理解している」と説明します。

その上で、「我々は夢を示すだけじゃなくて、夢に向かって社会を変えないといけないので、現実的で、あらゆる努力を行えば達成しうる水準という意味での成果目標を掲げています」と語りました。

「第5次男女共同参画基本計画」に向けて

政府は昨年11月、2021年度からの5年間を対象とする「第5次男女共同参画基本計画」の検討を始めました。すでに、専門調査会の委員も決定し、研究者やジャーナリストなどの識者が名を連ねています。

次の「男女共同参画基本計画」に向けて本格的な議論が始まるにあたり、ジェンダー・ギャップ指数で過去最低の121位を記録したことについては、どう受け止めているのでしょうか。担当者はこう語りました。

「大変深刻に受け止めています。順位が落ちたのは、日本が悪くなったというよりも、他の国が頑張ってもっと良くなった結果だと考えていますが、危機感を覚えないといけないと感じています」

「順位を落としている原因が政治分野における女性の少なさが大きいので、もうちょっと頑張らないとということで、頭を悩ませています」

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