【必見】実写版をもっと楽しめる！『リトル・マーメイド』豆知識18選。舞台はジャマイカ…？

6月9日に公開された実写版『リトル・マーメイド』。アニメ版との違いなど、知っていたら映画をもっと楽しめる豆知識をご紹介します！

実写版『リトル・マーメイド』が全国の劇場で放映中です。

youtube.com

制作の舞台裏、作品の豆知識をまとめました。もう観た人も、これから観る人も要チェックです🧜‍♀️

※一部、映画のネタバレを含みます。

1. 冒頭がほかのディズニー映画と違う

Walt Disney Studios Motion Pictures

ディズニー映画の冒頭、シンデレラ城が映るシーン。通常は、「星に願いを」が流れますが、今作では「パート・オブ・ユア・ワールド」が流れます。

加えて、シンデレラ城が徐々にエリック王子の城に変わるのでよーく見てみてくださいね！

2. アニメ版の名シーンが多数再現されている

Buena Vista Pictures Distribution/Walt Disney Studios Motion Pictures

アリエルが髪を振り上げて水上に出るシーン、水面に手を伸ばすシーンなど、アニメ版ファンにはたまらない瞬間がたくさん…！

3. アリエルは、演じるハリー・ベイリーの希望でドレッドヘアに

Walt Disney Studios Motion Pictures/Vittorio Zunino Celotto / Getty Images for Gucci

赤髪にしつつもドレッドヘアを残すヘアスタイルを選んだことについて、ハリーはインタビューで次のように語っています。

「映画で、自分のヘアスタイルを保つのは非常に重要なことでした。5歳の頃からドレッドヘアだったので、この髪型は私の大事な一部です。自分自身を見つめることが必要なんです」

4. 島の舞台はジャマイカ説が濃厚

Walt Disney Studios Motion Pictures

島がジャマイカにあることを示す鍵は、いくつかあります。

エリックが地図上で指をさす場所、市場のシーンで演奏されているスティールパン、そしてセバスチャンのアクセントなどから、映画の舞台がカリブ海なのは明らかです。

エリックが島に熱帯雨林があると話していることから、カリブ海の中でもジャマイカ、プエルトリコ、セントルシアのいずれかだとわかります。

映画の冒頭で、エリックはスペインのガレオン船を発見し、船員に意気揚々と伝えます。つまりエリックの住む地域は、スペインの植民地下にはないジャマイカ説が有力になります。

イギリスなまりの英語が多く登場するのも、ジャマイカが17世紀半ばにイギリスによって植民地化された史実とも一致します。

5. フランダー（「ヒラメ」の意）は、実際はヒラメではない

Walt Disney Studios Motion Pictures / Getty Images

ディズニーキャラクターのフランダーと現実世界のヒラメは、名前は同じですがまったく違います。

フランダーは、実際はスズメダイ科に属するサージェントメジャーという魚だと考えられており、映画の舞台となっているカリブ海に生息しています。

もちろん、アニメ版のフランダーもヒラメがモデルというわけではありません。

6. スカットルはカモメではなく、カツオドリに変更

Buena Vista Pictures Distribution/Walt Disney Studios Motion Pictures

ロブ・マーシャル監督は、レビューサイトIndieWireのインタビューで、アニメ版からの変更理由を語りました。

「アリエルは『陸に上がってはいけない』というルールを破ったことがなかった分、陸にあがったときの喜びが大きい。陸と海を行き来していたら、感動が半減してしまいます」

アリエルがずっと海中にいる設定にするためには、スカットルは水中にいなければいけませんでした。そこで、スカットルが水鳥になり、アリエルと海中でコミュニケーションをとる設定にしたのです。

「さまざまな種類の鳥を考えてみました。（カツオドリにしたら）楽しいしステキだと思ったし、スカットル役のオークワフィナにも合っていました。カツオドリは、何分もの間水の中にとどまり、そして陸に戻ります」

ちなみに、アニメ版のスカットルは男性の声優が担当しましたが、実写版では女性のオークワフィナが担当しています。

7. トリトン王の王冠は、サメの歯でできている

Walt Disney Studios Motion Pictures

衣装班は、人魚たちが身につけるものすべてを海のもので作ることにこだわりましたが、特にトリトン王の王冠に苦戦したそう。

衣装デザイナーのコリーンは、Vogueのインタビューで次のように述べています。

「王の王冠を、陸っぽくならないようにするにはどうしたらいいか、ずっと考えていました。ある雑誌で大きなサメの歯を見て、『サメの歯で王冠を作ればいいんだ！』と思いつきました」

衣装班は、偽物のサメの歯を彫り、海藻で土台を作り、金で塗って王冠を作りました。

8. 人魚姫たちの尾びれは、世界中のいろいろな魚をモチーフにしている

Walt Disney Studios Motion Pictures / Getty Images

アリエルの姉妹たちはみな、見た目や話し方が少しずつ違います。これは、それぞれが世界中のいろいろな海を表しているから。特に尾ひれは、それぞれの海にいる熱帯業をモチーフにしています。

映画の衣装デザイナーを務めたコリーン・アトウッドは、王女たちの尾ひれについて、Vogueのインタビューで次のように述べました。

「さまざまな魚で、海の世界を表現としました。本物の魚に即したデザインがいちばん美しい」

9. アースラはトリトン王の姉で、かつて宮殿に住んでいた

Walt Disney Studios Motion Pictures

アースラとトリトン王の間に何があったのか、明確には語られていません。

真実を知るには、アースラ主役の映画が制作されるのを待つしかない…？

10. アリエルがアースラに会いにいく途中、人魚（だったもの）ではなく目のついたヒトデのような生き物に捕まえられる

Buena Vista Pictures Distribution

アニメ版では、アリエルはアースラによって草に変えられた人魚に囲まれます。実写版では、ギョロリとした目のついたヒトデのような生き物に腕や首を掴まれます。

実はこれ、アニメ版よりも、アニメ版の原作となったハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話に似ているのです。

童話では、半人半植物で、手が届くものすべてを掴もうとするポリープがアースラの隠れ家に登場します。

また、よく見るとアースラの隠れ家付近には骸骨が…。これは、ポリープが捕まえてしめ殺した船乗りや人魚たちを表しています。骸骨は、実写版にも登場していますよ。

11. アースラの触手は発光する

Walt Disney Studios Motion Pictures

デザイナーのコリーンは、アースラの触手について、次のように説明しています。

「アリエルの肌が暗めだから、アースラの触手が光っていい感じになっているでしょう？（中略）光の中で、アリエルが一層主人公っぽくなるんです」

この設定には、生物学的な要素も含まれています。

周りの環境に合わせて発光するのは、アンコウなどの深海の捕食生物がエサの魚を誘い出すためにとる行動です。アースラの発光は、アリエルを我が物にするために惑わせる象徴とも考えられます。

また、生物発光は、光が届かない深海にいる生物の特徴。アースラが深海に住んでいるという設定とも合致しています。

12. 冒頭で海に落ちた望遠鏡は、映画全体の重要なモチーフになっている

Walt Disney Studios Motion Pictures

映画の冒頭、エリック王子に仕えるグリムズビーが海に望遠鏡を落とし、アリエルが洞窟に保管します。

アリエルが人間になったときは、エリック王子の「地図の間」で、望遠鏡をのぞいてみます。

そして、2人が急接近する「キス・ザ・ガール」の場面では、アリエルが夜空に光る「おひつじ座（アリーズ）」を利用して、名前のヒントをエリック王子に与えます。

「天文」や「星」は、ストーリーが展開する上での重要なモチーフなのですね！

13. エリック王子にも「お宝の洞窟」が

Buena Vista Pictures Distribution/Walt Disney Studios Motion Pictures

アリエルは、人間界のたくさんの「お宝」を、家族にバレないよう海の中の洞窟に隠し持っています。

実写版では、エリックも「地図の間」という隠し部屋を持っており、アリエルの洞窟にそっくり。天窓まであります。

好奇心あふれる性格は2人に共通するものであり、関係が深まる要因のひとつとも言えるでしょう。

14. アニメ版アリエルの声優、ジョディ・ベンソンがカメオ出演している

So glad that people in my audience knew that this was Jodi Benson (aka the voice of the OG animated Ariel)#TheLittleMermaid #Ariel#PartofYourWorld pic.twitter.com/rKG5bv6CkD

— Christian E. (@cjr3birth) May 28, 2023

Twitter: @cjr3birth

アニメ版のアリエルの声・歌を担当したジョディ・ベンソンは、映画の中盤、市場でアリエルにフォークを手渡す女性としてカメオ出演しています。

カメオ出演について、ロブ監督はイギリス版Yahoo!エンターテインメントのインタビューで次のように答えています。

「ジョディは長年の知り合いで、特別な人です。ハリーとの共演をすぐに快く引き受けてくれて、本当に感動しています。フォークを渡すのがおもしろくて…」

「（フォークのシーンは）脚本ですでに書いてあったのですが、ジョディがどこにカメオ出演するかはずっと考えていました」

15. 挿入歌「レ・ポワソン」が削除されている

Buena Vista Pictures Distribution

アニメ版では、エリック王子のシェフが歌う「レ・ポワソン」。

ロブ監督は、実写化にあたりこのシーンを削りました。理由について、The Hollywood Reporterの取材で次のように話しています。

「（アニメ版の『レ・ポワソン』は、）土曜朝に放送されるアニメ番組のようなノリのシーンです。実写版での撮り方もわからなかったし、撮ったとしても映画には入れなかったでしょう。本筋からは外れた話だったので」

16. 挿入歌「キス・ザ・ガール」の歌詞が変更されている

genius.com

実写版では、アニメ版で使われた曲の一部の歌詞が変えられています。

例えば「キス・ザ・ガール」では、アニメ版の「君もあの子も／キスしたいのなら／なにも言わなくていい」という歌詞の一節が削除され、アリエルにキスの同意を求める内容になっています。

音楽を担当したアラン・メンケンは「（エリック王子が）アリエルに無理やりキスをすることに対して、世間は敏感だと思うから」と述べました。

17. アースラにとどめを刺す船を操縦するのは、エリック王子ではなくアリエル

Giles Keyte/Walt Disney Studios Motion Pictures

アースラに声と力を与えたのはアリエル。とすれば、アリエルがアースラを倒すストーリーのほうが自然かもしれません。

アリエルにより存在感を持たせるストーリー設定となったことについて、アリエル役のハリーは次のように話しています。

「私たち女性は素晴らしい存在だし、自立しているし、現代的だし、至高の存在です。ディズニーが（プリンセスの受動的なイメージから女性像を）アップデートしようと試みていて、嬉しくなりました」

18. 最後にアリエルが着ているドレスは、アニメ版のウエディングドレスとピンクのドレスのオマージュ

Backgrid/Buena Vista Pictures Distribution

エリック王子と旅に出るアリエルが着ているドレスは、アニメ版の2つのドレスを合体したデザインになっています。

衣装デザイナーのコリーンによると、1830年代ファッションをモデルにしつつ、水をイメージさせる透け感を出すため、パイナップルでできた布を使ったそう。

映画公開を記念して、キャストたちがBuzzFeedに登場！『リトル・マーメイド』のどのキャラクターの性格に一番近いか、性格診断を受けてもらいました。動画をぜひチェックしてね🧜‍♀️

youtube.com

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳：筒井華子