欠勤報告をするときって気が重いですよね。体調を壊したり、親せきの不幸があったり、さまざまなケースがありますが、「アザラシが庭で寝ているので出社できません」と報告したケースが世界的な反響を呼んでいます。
オーストラリアのタスマニア島に住む女性が実際にそうした報告をしたところ、会社からすんなりOKが出たそうです。
同国の公共放送が運営するABCニュースが報じた珍事をご紹介しましょう。
現地の名物アザラシ「ニール」が庭にやってきた
タスマニア島南部に住むアンバー・ハリスさんは11月14日の早朝に目が覚めると、自宅の庭でミナミゾウアザラシがくつろいでいることに気がつきました。
このアザラシは「ニール」と呼ばれる体重600キロのオスです。地元の人々に親しまれています。
タスマニア州の州都ホバートの周辺の海岸で、道路で日光浴をしたり三角コーンで遊んだりすることで有名で、ここ数年でSNS上で人気を集めています。
2022年にSNSに投稿された三角コーンで遊ぶニールの姿
証拠写真を送ったら「オフィスにいる全員が少し笑ってました」
「外から音が聞こえたので『誰かが私の車を破壊しようとしている』と思ったんです。それで寝室の窓からのぞいたところ、大きなアザラシが私のことを見上げていました」
ABCニュースの動画の中で、ハリスさんは自動車の前で寝そべるニールを尻目に朝の衝撃を、こんな風に振り返りました。
ニールは庭のハンモックに頭を乗せたりして自由に動き回っていましたが、やがて自動車の前で寝てしまったそうです。
仕方なく「ニールが家で寝ているので遅刻する」と上司に電話で連絡することに。ABCラジオにハリスさんはこう話しました。
「私の連絡を信じてもらえるように、ニールの写真を会社に送ったのですが、オフィスにいる全員が少し笑ってました」
その愛くるしい姿に、アンバーさんも「なぜ彼が私の前庭を選んだのか分かりませんが、好きなだけ滞在してもらって構いません」と答えていましたが、数時間経つとニールは自力で海岸に帰っていったそうです。
ニールが陸に上がること自体は珍しくありませんが、アンバーさんの家は未舗装の道路を挟んで海岸から100メートルほど離れていました。
ニールがハリスさんの自宅で寝そべっていたことを報じるABCニュースの動画
アザラシ科の中でも最大!ミナミゾウアザラシとは
ナショナルジオグラフィックによると、ゾウアザラシという名前は、鼻がゾウのように膨らんでいるところから名付けられました。
北太平洋にいるキタゾウアザラシと、南極とその周辺水域に生息するミナミゾウアザラシの2種類が知られていますが、ニールのようなミナミゾウアザラシはアザラシ科の中でも最大の大きさを誇ります。オスは体長7メートル以上、体重は4400キロほどにもなるといわれています。
ミナミゾウアザラシの繁殖は夏に陸上で行い、南極の積氷近くの極寒水域で越冬するそうです。
「これはシュールw」日本のSNSでも大反響
「アザラシが寝ていて欠勤」というあまりにもシュールでオーストラリアらしい話題は、日本のSNSでも大反響を呼びました。「アザラシ休暇」のファンアートが投稿されるなど、多くの人を笑わせています。
💬「いい顔」
💬「これは仕方ない。が、インタビューを受けている女性の後ろで我が物顔で寝ている姿がシュールすぎるwww」
💬「あまりに可愛すぎる。地元の人たちにも愛されてるのね…!」
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ニールもまさか、自分の行動が約9000キロも離れた日本の人を笑わせているなんて思いもよらないでしょう(気にしてなさそうな顔をしていますが)。
タスマニア島の皆さんの懐の深さが伺える、ほっこりしちゃうニュースでした!