地震で下敷きになった犠牲者を「ラザニア」 あのメディアの風刺画が物議

    表現はどこまでいい?

    連続テロの標的になったフランスの週刊新聞「シャルリーエブド」が、イタリア地震の被災者らをラザニアなどの料理に見立てた風刺画を掲載し、物議を醸している。

    This is not satire anymore, this is pure disrespect for those who lost their lives, I'm disgusted #CharlieHebdo

    題は「イタリア風の地震」。左から、負傷した男性は「トマトソースのペンネ」、女性は「ペンネグラタン」、建物のがれきと間に挟まれた犠牲者は「ラザニア」と書かれている。

    8月24日、イタリア中部を襲った地震では294人が犠牲となった。

    風刺画はイタリア人らの感情を逆なでし、Twitterは炎上

    「#CharlieHebdo(シャルリーエブド)」は一時トレンド入りした。

    「こんな風刺画は予想外。風刺の自由には価値があるが、良いセンスには限界がある #シャルリーエブド」

    La vignetta che non ti aspetti. Vale il concetto che la satira è libera ma il buon gusto ha confini #CharlieHebdo

    「#アマトリーチェの地震で被災した人たちの苦しみを下品に風刺 #シャルリーエブド 痛みへの配慮はないのか?」

    #CharlieHebdo satira indecente su vittime terremoto #Amatrice la grande sofferenza non insegna il rispetto del dolore?#jenesuispascharlie

    #jenesuispascharlie(ジュヌスイパシャルリー=私はシャルリーではない)というハッシュタグが付いている。

    このハッシュタグは、#JeSuisCharlie(ジュスイシャルリー=私はシャルリー)の否定。

    だが、イタリア地震の風刺は非難の的に。被災地も抗議した。

    ただ、ツイートは非難一色でもなかった。ダブルスタンダードを冷静に指摘する人たちも。「シャルリーエブドがイタリア人を侮辱するときだけ世界は怒り狂って、イスラム教徒に対してなら『言論の自由』になるなんて、おかしい🇫🇷」

    Funny how the world are only outraged at Charlie Hebdo when they insult Italians but its 'freedom of speech' when it comes to Muslims, 🇫🇷🙃.

    「#シャルリーエブドがイスラム教を侮辱するときは言論の自由だが、イタリア地震を侮辱すると今度は急にやり過ぎってなるのか???」

    So when #CharlieHebdo offended Islam is was freedom of speech, but now they've offended the Italian earthquake and its suddenly too far???

    シャルリーエブド紙は1月にも物議を醸す風刺画を載せている。「移民」の題で、逃げ惑う女性2人と、追いかける男性2人を描いた。

    Disgusting cartoon in Charlie Hebdo ("what would've become of Aylan had he grown up? A groper") via @faizaz

    昨年の大みそかにドイツ・ケルンなどで相次いだレイプ事件などを受けたもの。ドイツに住むシリア難民も関与していたと報道され、反難民感情が高まっていた。

    風刺画には「アイラン坊やが成長したら何になっていただろう?」「ドイツの痴漢だ」と書かれている。

    「アイラン坊や」とは昨年、トルコの海岸に打ち上げられた3歳のシリア人の男の子アラン・クルディ君を指す。遺体の写真は世界に衝撃を与えた。

    シャルリーエブド紙は止まらない。9月2日、イタリア地震を題材にした風刺画をFacebookに載せ、またも炎上させた。「イタリアのみなさん…あなたたちの家を建てたのはシャルリーエブドではありません。建てたのはマフィアです」