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バチェラー若様、仮面の下の素顔とは… 若尾綾香が明かした挫折と成長

「弱さを見せられるのもひとつの強さ。カッコ悪いからカッコイイんじゃないかなって」

Amazon Prime Videoの恋愛リアリティー番組「バチェラー・ジャパン シーズン2」に参加し、その強気なキャラクターから「若様」の愛称で親しまれた若尾綾香。

けれど彼女だって、最初から自信に満ちあふれた「若様」だったわけではない。末っ子で甘えん坊の「若ちゃん」は、いかにして「若様」への華麗な変身を遂げたのか。仮面の下の素顔に迫った。

いじめで無視された過去

山梨県生まれの29歳。実家は裕福で、幼少期は書道教室、ピアノ、水泳、家庭教師と、いくつもの習いごとを掛け持ちした。

当時から目立つ存在で、やっかみからいじめを受けたこともあったという。

「女の子たちにシカト(無視)されたことがあって。父に『精神的に強くなれ』と言われて、家の隣の空手教室に通いました」

「何とも思ってないから」

「嫌がらせをされても休まず皆勤賞だったし、気に食わない人もいたと思います。シカトされてること自体をシカトする。相手にしませんでした」

自分の好きな男子が、若尾のことを好きになった――。いじめの理由は、思春期にありがちな嫉妬やひがみだった。

「あなたが好きな人のこと、私は何とも思ってないから」

ハッキリと言葉にして、伝えるようにした。若尾には中高と彼氏がいたし、他人のほれたはれたに巻き込まれるのは、とばっちりでしかなかった。

「一発殴っていいよ」

「そうしたら、その子たちも『綾香が悪くないのはわかってるんだけど、感情の持っていき場がなくて当たってしまった』と謝ってきて。『ごめんね』って、逆にその子が泣いちゃったこともありました(笑)」

「気に入らないことがあるなら、一発殴っていいよって言ったこともあります。グルになってる子たちって、堂々と歯向かってこられると弱いんですよね」

一部のグループからいじめを受けていた時も、クラスや習いごとの友達、仲間の存在が心の支えになった。

「習いごとをやっていたお陰で、自分の世界は学校だけじゃないんだって気づけた。それで強くなれたのかなと思います」

高校では新体操に打ち込み、インターハイにも出場した。「やりきった」という思いもあり、退部後しばらくは次の目標を見失って燃え尽きたようになった。

上京して味わった苦悩

卒業後、単身上京して大妻女子短大に進学。しかし、ここでも壁にぶつかる。所属したサークルには、テレビに出演して活躍している友達が何人もいて、キラキラとまぶしく見えた。

「東京で綺麗な人や才能のある人たちに出会い、人と自分を比べてしまったんです。自分には何ができるんだろうと、すごく悩みました」

そんな時、父親が勝手に応募した地元・山梨のミス宝石コンテストに出ることに。渋々の参加だったが、自然体が功を奏したのか、まさかのグランプリを獲得した。

「頑張ってね」でなく「頑張ったね」

ところが、続いて挑んだミス・ユニバース・ジャパンは地方代表止まりで、日本代表を逃してしまう。

「綾香、よく頑張ったね」。親友からは LINEでそう励まされた。「頑張ってね」でも「お疲れさま」でもなく、「頑張ったね」。その一言に、それまでの苦労が報われた気がした。

「今でも思い出すと泣いちゃうぐらい、心に響いた言葉でした。努力の過程を認めてもらえたというか。頑張ってよかったなと」

努力も隠さずに

かつては、練習風景や努力の過程を一切SNSに書かないようにしていた。「頑張っている自分」を表に出さないことが、美徳だと信じていたからだ。

だが、ミス・ユニバース出場時にスピーチのトレーニングをしてくれた講師の言葉で、考え方が一変したという。

「頑張っている姿を見せることも、時には大切。だからどんどん書きなさいと。『そういうことが人の心を動かすから』って先生に教えられて。最初は嫌だったんですけど、カッコつけずに素の自分を出していくようになりました」

MUJプレキャンプ1日目終了〜 立食懇親会に行って来たよ(^ ^)

大事なのは「自分対自分」

2014年にはミス・アース・ジャパンで3位に入賞。翌年にはミス・スプラナショナルの日本代表として、ポーランドであった世界大会への出場を果たした。

「ミスコンに出始めて、他人と自分を比べるのをやめました。あくまでも、自分対自分。まず、自分という人間を知らないと、何も表現できませんから」

挫折の果てに掴んだ栄冠。この時、若尾は「若様」になったのかもしれない。

「人との出会い、巡り合わせって本当に無駄がない。必要な時に必要な人と会うし、必要な言葉をいただける。点と点は必ず線になっていくんだと思います」

引退も考えた

レギュラーの仕事が入るなど芸能活動はそれなりに順風だったが、心の片隅には弾けきれずにくすぶっている自分もいた。

「昨年の春ごろ、もう辞めようかなと思っていたんです。芸能界だけがすべてじゃないと、海外留学も考えていました」

学生時代からの恩人の一人に相談すると、「いま辞めるべきではない」と引き止められた。悩み揺れていた時期に、絶妙なタイミングで舞い込んだのが「バチェラー」のオーディションの話だった。

「バチェラー」で話題に

バチェラーは、1人のセレブなイケメン男性を多数の女性参加者たちが奪い合う恋愛リアリティー番組。シーズン2には若尾をはじめ総勢20人の女性が参加した。

「周囲の友人たちが次々に結婚していくなかで、私も自分の結婚観を見つめ直してみようと。それまで仕事を一番に生きてきたけど、一人の女性としての幸せも探してみたくなったんです」

最終的にライバルに敗れはしたものの、自信満々で高飛車な「若様」のキャラクターは視聴者に鮮烈な印象を残した。

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ツンデレの魔術師

真剣に恋をしているからこそ、強気一辺倒ではいられない場面もある。ふとした拍子にこぼれてしまう「乙女」な一面も、カメラは容赦なく映し出す。

ツンデレの「ツン」と「デレ」。勝ち気な「若様」と素の「若ちゃん」の落差が、そのまま魅力として開花した。

「東京で一人で生きていくために、しっかりしなきゃと弱さを隠してきた。弱いことはカッコ悪いと思ってきたけど、弱さを見せられるのもひとつの強さ。カッコ悪いからカッコイイんじゃないかなって」

自分を好きでいたいから

バチェラーを経て、若尾の心は再び仕事へ向かっている。「自分が学んできたことを人に伝えたい。いつか本にまとめられたら」と夢を語る。

「昔は私も自信がなかった。自分の内面を見つめることで、自分を認め、受け入れることができるようになりました」

「いいことも悪いことも自分の個性。努力してきた過去や経験を否定したくないんです。何より、自分のことを好きでいたいから」

〈わかお・あやか〉 1989 年、山梨県韮崎市生まれ。数々のミスコンに入賞。「バチェラー・ジャパン シーズン2」への参加で話題に。宇多田ヒカルによく似た容貌から、ものまね番組に出演したり、週刊プレイボーイのグラビアを飾ったりしたことも。趣味はホットヨガやスポーツ観戦など。フードスペシャリストの資格を生かし、ブログで手軽な時短レシピを発表している。

BuzzFeed Japanは10月11日の国際ガールズ・デー(International Day of the Girl Child)にちなんで、2018年10月1日から12日まで、ジェンダーについて考え、自分らしく生きる人を応援する記事を集中的に発信します。「男らしさ」や「女らしさ」を超えて、誰もがなりたい自分をめざせるように、勇気づけるコンテンツを届けます。