ロシアのプーチン大統領によるシリア内戦への介入を批判する記事を掲載し続けている独立系新聞社「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙宛に脅迫めいた「贈り物」が届き続けている。新たに届いたのは、防弾チョッキを着たヒツジ9頭だ。
10月29日、「プレス」用の防弾チョッキを着て、檻に入ったヒツジ9頭が、モスクワにある同紙オフィス前に届けられた。
気がかりなものがオフィス前に置かれたのは、今回が初めてではない。
10月17日、同紙記者の写真とともに、葬儀用の花輪が届いた。添えられたカードには、「デニス・コロトコフは祖国の裏切り者」と書かれていた。
コロトコフ氏は、シリア内戦で戦っているロシア傭兵に関する記事で知られている。同氏は、ロシア国防省ウェブサイトの脆弱性を調べ、シリアで戦死したロシア人パイロット、ローマ・フィリッポフ氏の詳細を手に入れた、とネットメディアのMeduzaは伝えている。コロトコフ氏は、今年初めから同紙に勤めている。
10月18日、別の脅迫がオフィスに届いた。切断されたヤギの頭部だ。このときは、編集部全体に対する警告状が添えられていた。
これらの嫌がらせは、シリア内戦におけるプーチン大統領による政策の役割を調べた同紙による一連の批判記事に対するものと思われる。
「今日、ノーヴァヤ・ガゼータ紙のオフィスに届けられたプレス用の防弾チョッキを着て檻に入ったヒツジ9頭に関して、ロシア当局は調査すべきで、同紙に対するこの気がかりな脅迫状を送った犯人の責任を問うべきです」と国際非営利団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」のユーラシア広報担当者であるガルノーザさんは話している。
CPJのデータによると、2000年以降、ノーヴァヤ・ガゼータ紙の記者5名が、報道した記事が原因で殺害されている。
最初の事件の直後、同紙は、脅迫行為を非難し、当局に通報すると書いた社説を公表した。
「ソーシャルネットワーク上でノーヴァヤ・ガゼータ紙と弊社記者宛に反対運動を展開している人は、ロシアで興奮と憎しみが限界を超えた中、これらの手紙を差し出す結果を十分に認識している」と同紙は書いている。