大量のクジラが座礁し、200頭が死亡。「最悪」事故とまったく同じ日、同じ場所でなぜ?

    オーストラリア・タスマニアの海岸で、約230頭ものゴンドウクジラが座礁しているのが発見された。地元当局やボランティアが、生きているクジラの救助にあたっている。

    オーストラリア・タスマニアの海岸で現地時間9月21日、約230頭ものゴンドウクジラが座礁しているのが発見された。

    そのうち、200頭の死亡が確認されている。

    タスマニアでは19日にも、キング島で14頭のマッコウクジラが流れ着いて死んでいる。すべて若いオスのクジラだった。

    2020年には、「オーストラリア史上最悪」と言われるクジラの座礁があった。470頭のゴンドウクジラが座礁したこの事故は、今回の座礁事故と同じ日に、同じ場所で起きている

    このようなクジラの大量死は「クジラの集団自殺」と称されることもしばしばあるが、そのメカニズムは完全には解明されていない。

    地震などの自然現象や、海洋ゴミや船舶のソナーといった人為的な影響など、様々な要因があると見られている。

    また、地形や潮、磁場の関係でクジラのエコロケーション(超音波で大きさや位置を測ること)が狂う「大量座礁が起きやすい」場所があることは考えうる。

    マッコーリー湾の入り口は浅く、危険な水路として「ヘルズ・ゲート(地獄の門)」と名がついている。

    現在、タスマニアの野生動物保護当局のスタッフや救急隊、地元の養殖業者やボランティアなどが集い、生きているクジラの救助にあたっている。

    Heartbreaking scene as hundreds of pilot whales are stranded in Tasmania’s west. Despite efforts from rescuers, many have already died. My photos for @abcnews

    Twitter: @MonteBovill

    現場にいたABCニュースのリポーター、モンテ・ボーヴィル氏のツイート

    「タスマニア西部で数百頭のゴンドウクジラが座礁し、悲痛な光景が広がっている。レスキュー隊が尽力しているが、すでに多くが死亡している」

    まずはタオルなどで体を濡らし、浮力がなく乾いた砂浜からなるべく沖に移動させることが必要だ。

    タスマニア公園野生生物保護局のブレンドン・クラーク氏はABCニュースに、「救助活動に専念し、クジラを海に戻すことに重点を置いている。何頭かは(沖に返しても)再び流れ着く可能性もあるため、注意深く監視を続ける」と語った。

    市民からボランティアの申し出が多くあるとのことだが、救助は複雑な作業で、訓練を受けたスタッフやボランティアに任せたいと当局は述べている。

    Rescue efforts were underway on Wednesday to try and save 100+ pilot whales that beached upon a shore in Tasmania, Australia. The incident comes days after 14 sperm whales also beached upon another Australian island.

    Twitter: @nowthisnews

    救助の様子

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