臓器提供された息子の心臓。父親がその音を聞くとき

    聴診器を耳に当てながら、「きっとそこにいて、走っているんだろうね」と父親は語った。

    アメリカ、テキサス在住のジョーダン・スパーンさんは、約1年半前に息子を亡くしている。当時21歳だった息子・マシューさんは、帰宅途中に交通事故に遭いこの世を去った。

    マシューさんの体からは7つの臓器が提供され、結果5人の命を救った。

    そのうちの1人、 クリスティー・リチャード・ラスさん(54)は重い心臓の病気を患っていたが、マシューさんの心臓を移植され一命を取り留めた。

    現地時間2月10日、スパーンさんとラスさんは初めて顔を合わせた。

    "He's probably out there running laps." A Texas father hears his dead son's heartbeat in the chest of a woman who was a transplant recipient of the 21-year-old's heart. https://t.co/tkJAOxVOfJ

    聴診器を通して、ラスさんの、そして息子の心音を聞くスパーンさん。

    facebook.com

    「(亡くなる前の)10日間、あの子の心音を聞き続けていた。モニターで心電図を見ていたんだ」と語った。

    目を閉じてしばらくの間心音に耳を傾け、嬉しそうに「(音が)力強いね」と話している様子が動画に収められている。ラスさんも「そう。静かな夜には、聴診器がなくても心音が聞こえるの」と返した。

    ABCニュースによると、マシューさんは大会で優秀な成績を残すランナーだった。「(マシューさんが)きっとそこにいて、走っているんだろうね」とスパーンさんは笑った。

    この一連の出来事をスパーンさんの婚約者、サマー・モスバーガーさんがフェイスブックに投稿したところ、心温まるコメントが寄せられた。

    Facebook: summer.mossbarger1987

    投稿では、心臓移植を受けたラスさんのことを「マシューが渡した命に心から感謝している、とても優しい人」だと書いている。