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サケ「自由だー!」10万匹以上を積んだトラックが川で横転、ほとんどが泳ぎ去る

米オレゴン州で、約10万2000匹の生きたサケを積んだトラックが川の近くで横転し、約7万7000匹が泳ぎ去った。サケは放流予定だったが、約20%が死亡した影響で、戻る生魚が減少すると懸念されている。

米オレゴン州で、約10万2000匹の生きたサケを積んだトラックが川の近くで横転し、約7万7000匹が泳ぎ去った。

同州の魚類野生生物局(ODFW)によると、事故が起きたのは3月29日。

トラックは全長約16メートルで、水と魚を積んだ状態の重量が約36トンあった。急カーブを曲がる時に、助手席側に傾き、道路を横滑りしたあと、堤防を乗り越えて横転したという。

トラックを運転していたODFWの職員は軽傷を負った。

運んでいたサケはスモルト期(川から海に出る段階)のマスノスケ(キングサーモン)で、イムナハ川に放流する予定だった。

事故の際、グランデロンド川の支流ルッキンググラスクリークに多くのサケが逃げたが、放流予定の約20%に相当する約2万5000匹が死亡した。この損失により、2026年と2027年に戻ってくる成魚が約500~900匹減少すると予想されている。

オレゴン州では1982年から、事故現場付近のルッキンググラス孵化場でマスノスケの産卵と孵化を行っている。ダム建設で減少したマスノスケの個体数を増やすための取り組みだ。

ニューヨーク・タイムズ紙の取材に答えた魚類孵化場コーディネーター、アンドリュー・ギブス氏によると、サケは春の雪解け水の流れに乗り、尾部を先にして海まで移動するという。

「抵抗が少なく済むので、海にたどり着くまでエネルギーを節約できます」

その後サケは、3年間の旅を経て、生まれた川の匂いを頼りに戻り、上流まで遡って出産し、一生を終える。