イギリス・ロンドンの老舗パブ「コーチ&ホーシズ」が、ヌーディスト・ライセンス(ヌード営業の権利)を正式に取得した。スタッフは全裸で接客することができ、客も全裸で飲食を楽しめるようになる。
コーチ&ホーシズは、1847年から繁華街ソーホーに店を構えている。いかにも「カントリーパブ」らしい伝統的な雰囲気の建物や内装は、地元住民だけでなく観光客からも人気が高い。
歴史あるパブがヌード営業に踏み切ったのは、2006年から店を営業している店主、アラステア・チョートさんの意向だ。
このパブは70年を超える歴史がある。
チョートさんは2006年からマスターとしてパブを切り盛りしているが、パブの所有権は2011年から、各地でパブを経営する大手企業に移っている。そして、この企業は、チョートさんとの契約を更新しない意向を示しているという。
これを「大手によるパブの『のっとり』」だと主張するチョートさんが、娘やスタッフ、常連客らと協力して、パブを買い取る資金集めのためヌードカレンダーを作成・販売した。
「絶望的な状況で助けを求めている時、価値あるものを守るために服を脱ぐという英国の偉大な伝統に気づいた」とチョートさんはCNNの取材に答えた。
カレンダーの売り上げの1割はホームレス救援に寄付される。
チョートさんは店の運営を続けられるようオンラインでの署名活動も始めた。店舗での活動も合わせて、現在1万5000人以上の署名が集まっている。
毎日がヌード営業になるわけではなく、定期的にヌーディスト向けの企画を実施する予定だ。
チョートさんと娘のホリーさんは「作家、ジャーナリスト、役者、アーティストに愛されてきた(パブの)奔放な雰囲気」を保とうと尽力してきた。
これからは、ヌーディストにも愛される場所になるかもしれない。
「みんなが裸になったら、とってもおもしろいことになるだろうね」とチョートさんはコメントした。