米シカゴで3月13日、男が住宅に押し入り、交際していた女性とその息子を襲った。女性は首を切られて重症、11歳の息子は胸を刺されて死亡した。
CBSによるとクロセッティ・ブランド容疑者(37)が逮捕され、第一級殺人、住居侵入、家庭内暴力などの罪に問われている。
ブランド容疑者は、家庭内暴力と住居侵入で8年半服役しており、事件の前日に釈放されたばかりだった。
別の元恋人を狙った住居侵入事件でも実刑判決を受けている。
警察の発表によるとブランド容疑者は仮釈放中、被害者女性に脅迫的な内容のメールを何通も送り、自宅にも現れた。
2月21日、女性が裁判所に緊急保護を要請したが、仮釈放違反で容疑者が刑務所に戻されていたこともあり、裁判所は「緊急事態ではない」と判断し、申し立てを却下したという。
ブランド容疑者の裁判記録は2004年までさかのぼり、これまで4人の女性がブランド容疑者からの保護命令を要請している。
3月15日の初公判で、 The Network Advocating Against Domestic Violence(家庭内暴力支援ネットワーク)代表のアマンダ・パイロン氏は、裁判所が容疑者の釈放日を把握していれば、緊急性を正しく認識できたと指摘した。
ABCニュースによると、シカゴ当局は記者会見で、息子は妊娠8カ月だった母親をかばい亡くなったと述べた。
「母親を守ろうとした罪のない子どもの命が、あまりにも早く奪われました。事件は、最も安全な場所であるべき自宅で起きました」と、キンバリー・M・フォックス弁護士は語った。
シカゴ警察のラリー・スネリング本部長は「被害者を守らねければなりません」と話す。「悲劇が起きてから対処に動くのでは遅いのです」。
亡くなった息子が通っていたダンススクールは、彼が踊る動画をSNSに掲載し、遺族支援のウェブサイトを紹介した。
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