フライト中にパイロット2人が居眠り…飛行ルートが外れる「子どもの世話で睡眠不足」

    バティック・エアの副操縦士には生後1カ月の双子がおり、世話のため睡眠不足だったとジャカルタ国家運輸安全委員会は調査報告書を出した。

    インドネシア、バティック・エアの機長と副操縦士が約30分居眠りをし、乗客153人を乗せた飛行機が一時的に飛行ルートを外れる事態が発生した。同国の国家運輸安全委員会(KNKT)が、調査報告書を発表している。

    2024年1月25日、ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港からスラウェシ島南東部のハル・オレオ・コナウェ空港に向かうエアバスA320機での出来事だった。

    フライト時間は約2時間半。離陸から30分後、機長は仮眠を取りたいと申し出た。副操縦士が操縦を引き継いだが、うっかり眠ってしまったという。

    副操縦士との最後の通信記録から12分後、ジャカルタ航空交通管理センター(ACC)は複数回にわたり連絡を試みたが、反応はなかった。28分後、機長が目を覚まし、機体がルートから外れていることに気づく。副操縦士を起こし、ACCに応答した。その後正常なルートに戻り、乗客全員無事に目的地に到着した。

    報告書でパイロットたちの名前は明らかになっていないが、どちらもインドネシア人男性で、機長は32歳、副操縦士は28歳だという。フライト前、副操縦士は機長に十分な睡眠を取れていないと伝えていた。

    副操縦士には生後1カ月の双子がおり、子どもの世話のため夜中に何度も起きなければならず、睡眠不足だったと報告書は述べている。

    2人は注意を受けたが処分はされず、KNKTはバティック・エアに対しパイロットや乗務員が十分な休息を取れる管理体制を整えるよう求めた。

    バティック・エアはBBCに対し「休息については、適切な方針のもと運航」しており、「すべての安全勧告を実施する」とコメントした。