カンガルーに襲われ、77歳男性が死亡。小さい頃から飼い慣らしていた

    カンガルーが多く生息するオーストラリアだが、野生のカンガルーによる死亡事件は86年起きていなかった。

    オーストラリア西部レドモンド在住の男性(77)が、てなずけていた野生のカンガルーに襲われ死亡した。AP通信などが報じた。

    私有地内で「重傷を負って」倒れている男性を9月11日、親族が見付けた。その日の早い時間に負傷したとみられる。

    親族が救急車を呼んだが、現場で男性の死亡が確認された。

    現場で救急隊が男性を救助しようにも、カンガルーが威嚇を続けて近づけなかったため、警察官がカンガルーを射殺した。

    ABCニュースによると、死亡した男性はアルパカのブリーダーだった。近隣住民の間で「動物好き」として有名で、彼を攻撃したカンガルーも、幼い頃から飼い慣らしていたという。

    オーストラリアでは、主に4種類のカンガルーがその数を占めている。今回男性を襲ったカンガルーはクロカンガルーだ。

    クロカンガルーは比較的大型な種類で、尾まで入れると体長約2メートル、体重も50キロほどまで成長する。男性が住んでいた西オーストラリアだけでも、180万頭以上生息している。

    オーストラリア全土で野生のカンガルーの数は約4280万頭にのぼるが、カンガルーによる死亡事件はまれだ。BBCによると、今回は1936年以来初めての死亡事件だという。

    オーストラリア固有の動物をペットとして飼うことは規制されているが、男性が飼育許可証を持っていたかは明らかになっていないと警察は発表している。

    ABCニュースの取材に対し、カンガルー行動学の専門家であるグレーム・コールソン氏は、カンガルーが人間を襲うのは珍しくないが「致命傷を与えることは非常にまれ」だと語った。

    「カンガルーは大きな動物で、鋭い爪や鋭い歯など多くの『武器』を持っています。追い詰められたり、なんらかの苦痛を感じた場合、非常に危険です」

    「カンガルーも人間も2本の足で立つ動物で、そこが問題です。カンガルーにとって、人とカンガルーとの区別がつきません。オスが成長して大きくなると(ケンカ相手や敵だと勘違いするため)特に危険になります」


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