ブラジル国内のアマゾン川流域にある熱帯雨林で、今年に入ってから8万件以上の火災が確認されている。
これまでに9000平方キロメートル以上の森林が焼け、被害を深刻と見た主要7カ国首脳会議(G7サミット)の参加国が合計2200万ドル(約23億2700万円)の資金を提供した。ブラジル政府はこれを一度拒否したものの、後に受け取った。
しかし、大規模火災の猛威は今も続いている。ブラジルに限らず、オーストラリア東部やアメリカ・カリフォルニア州などでも史上最悪規模の森林火災が発生しており、多くの住民が避難を余儀なくされている。
世界中で発生している森林火災の深刻な被害を、写真で見る。


オーストラリアでは、最も人口が多いニューサウスウェールズ州で、今年9月ごろから森林火災が継続的に起きている。火の勢いは強まる一方で、その手はシドニー郊外まで迫っている。
現在、3人の死亡者が確認されており、推計約9842平方キロメートルの土地が焼けている。BBCニュースによると、州内の火災件数は約300箇所。600を超える学校が閉鎖を余儀なくされている。
ロイター通信によると、これまでにない高温と強風で被害の拡大が予想されるため、ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州では非常事態宣言が発令された。


アメリカ・カリフォルニア州では、同州史上最大の山火事「キンケード火災」が発生しており、北部から南部に渡り幅広い地域で被害が出ている。
避難命令が発令され、約18万人が家を離れた。キンケード火災による延焼面積は、これまでに約315平方キロメートルとなっている。
また、ワイン生産地として有名なサンフランシスコ北部のソノマにも火が広がり、経済的な打撃も深刻だ。
ロサンゼルス周辺でも火災が継続的に起きた。有名美術館「ゲッティセンター」近くで10月末に起きた「ゲッティ火災」は約3平方キロメートル、サンタ・クラリタ近くで同時期に起きた「ティック火災」は18平方キロメートル以上の土地に被害をもたらした。



他にも、今年8月にロシア東部で山火事が多発し、主にシベリアで深刻な被害が出た。ロイター通信によると、延焼面積は3万1000平方キロメートルに及んでいる。この面積はベルギーの国土に匹敵するという。
環境保護団体グリーンピースは、気候変動と政府の消化体制の不備を山火事の原因としている。その一方でメドベージェフ首相は、違法伐採を隠蔽するために人為的に放火されたと主張している。
