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「やり場のない怒りと疲れでボロボロでした」。選挙カーの音声が乳幼児のお昼寝の時間と、かぶった時、母の気持ち。

「起こされた直後は強い怒りで、選挙カーが行ってしまった後はただただ悲しかったです」

ひとりのお母さんが描いた「選挙の時期に思い出すこと」が話題です。

やまぎしみゆきさん(@yukiyama_27)がTwitterに、7枚の育児漫画を投稿したところ、1.3万回以上リツイートされ、2.4万回を超える「いいね」が集まりました。

そこに綴られていたのは、子どもの睡眠が「街宣車」こと選挙カーに妨げられたエピソードです。

リプライ欄では「今日のお昼寝まさにこれだった」「せめてもう少し時間を考えて欲しいです」「地域に合わせたやり方が大切ですよね」など、反響が寄せられています。

現在は4歳と2歳の娘さんを育てているやまぎしさん。このお話は、長女さんが0歳のときのお話です。

このとき、朝からご機嫌ななめだった娘さんを、寝かしつけていました。

1時間以上立ち続けて、やっとのことで眠ってくれたことに安堵しながら、しばらく行けていなかったトイレに行こうとします。

するとーー。

外からなにやら選挙カーの放送が聞こえてきたのです。

この音に、どうしても娘さんは起きてしまいます。

「子どもに優しい社会を実現します!」「一人ひとりの声に耳をかたむけます!」

そう、声高らかに唱える政党に、言葉にし難い感情を抱えたのでした。

BuzzFeedは、やまぎしさんに話を聞きました。

毎日毎日、保育士さんには頭が上がりません😭 (1/2)

やまぎし みゆきさんのTwitterより / Via Twitter: @yukiyama_27

やまぎしさんがこの漫画を描いたきっかけは、在宅での仕事でした。ふと、選挙カーのスピーカー音が聞こえてきて、昔のことを思い出したのだといいます。

漫画に描いたあの日、かなりギリギリの気持ちで選挙カーを見送っていた、とやまぎしさんは振り返ります。

「夜間の授乳もあり、寝不足のまま立って抱っこして、やっとのことで寝てくれたタイミングだったので、やり場のない怒りと疲れでボロボロでした。『大丈夫』と言い聞かせていないと、おかしくなりそうでした。起こされた直後は強い怒りで、選挙カーが行ってしまった後はただただ悲しかったです」

次女さんを育てていたときにも、同じく「選挙カーの音に起こされたこと」があったそう。

「ただ、長女のときは育児に慣れていなかった分、かなり辛かったことを覚えています」

「果たして必要なのかな、という印象」

ハイタッチでばいばい👋タイミング難しいようです😂

やまぎし みゆきさんのTwitterより / Via Twitter: @yukiyama_27

インターネットやSNSが普及してきている今だからこそ、やまぎしさんは、選挙の在り方に変化があっても良いのではないか?と感じているそうです。

「選挙カーを使用する選挙活動は、昔から行われてきた方法だと思いますが、インターネットが普及している今、この方法が果たして必要なのかな、という印象です」

そう思うのには、自身の経験に加え、漫画に寄せられた、選挙カーの音声に悩んでいる人たちの存在がありました。

「多くのコメントを拝見し、夜勤の方や学生の方、保育士さんも同様に困っているという意見も読みました。一方で、選挙カーが回ってこないと怒る人がいる、という意見もありました」

「時代とともに手法はアップデートされるべきだと思いますし、色々な立場の方の意見を踏まえて、議論されていったほうが住みやすい世の中になると思います」

子育て世代の投票率、寄せる期待

数ヶ月前のこの質問がずっと心をえぐってくる… みんな大きくなったら何になりたいとかあるのかな?私は小さくなりたいんだけど…横に…

やまぎし みゆきさんのTwitterより / Via Twitter: @yukiyama_27

選挙カーにまつわる思いを投稿してみて、印象的だったことがあるといいます。

それは「漫画にしてくれてありがとう」というコメントや引用リツイートがたくさん集まったことでした。

「『選挙カーの音で子供が起きちゃって大変だった』という言葉では表しきれない、乳幼児を抱える親のやりきれない思いを伝えることができたのなら、こんなに嬉しいことはありません。これをきっかけに選挙カーの是非などについて議論が進んでくれたらいいなと強く思います」

「そして、(政治家や政党に)私たちの声を聞いてほしいと思うのならば、私たちの世代の投票率が上がらなければなりません。より多くの方が投票に行って、未来が良い方向に変わることに期待しています」