0歳でも、オムツ姿でも性対象となり得るのに……
Twitterで「子ども達を性加害から守るため大人が知っておきたいこと」と書かれ、4枚にわたって描かれた画像が話題になりました。
子どもに対する性犯罪や性加害の情報にアンテナを張っているうちに、「オムツに性的興奮をする加害者がいる」「0歳からでも性対象となる」ということを知ったある母親。
SNSに上げた我が子の画像を、性加害者に利用されている可能性が少なからずあるのではと気づきました。
でも、どうしても140字では危険性や対策を易しい言葉で伝えきれないーー。
そんな思いから作られた画像なのです。
BuzzFeed Newsは、元保育士で現在2児のお母さんである、作者のヲポコさんを取材しました。
幼児期から「4つのこと」をその都度しっかりと伝えて行きたいと思っているといいます。
対策をするにはまず認識から。そしてオムツ画像といえど軽率にネットに載せないこと。
間接的に性的欲求をぶつける人にも警戒が必要だと訴えます。
子どもを男風呂に入れる際にも注意が必要です。お父さん側も自覚を。
BuzzFeed Newsの取材に、ヲポコさんは「概要と対策が簡素にまとまっていて、なるべく傷付く人が少ない表現のものを作ってみました」と話します。
かなりたくさんの情報がつまっているこちらの画像。
いったいどのように集めたのかと尋ねると……?
「Yahoo!ニュースなどに載っている子どもに対する性犯罪事件のニュースや、#MeToo、#フラワーデモ、#性被害者のその後 などのタグで書かれる子ども時代の性被害の経験を読んだり、実際に『オムツ画像をくれ、とDMが来た!』という注意喚起ツイートを見たりしました」
「さらに、方々に散らばる子どもに対する間接的性加害のアカウントを実際に探して、内容をなるべくショッキングにしないようまとめました」
どのような思いから注意喚起の画像を作ったのか聞くと「第一に、やはり我が子が性被害に遭わないためにどうすればいいかという気持ちがあった」と明かします。
「ただ自分の子1人だけに性教育をしたとしても、加害者側にも同じ内容の性教育がされていないと被害は防げないと思い当たりました」
「各家庭で自分の身体と相手の身体を尊重する性教育を行う重要性や、家庭だけに任せるのではなく学校や社会全体が同じ意識を持つことの必要性を感じ、広く拡散してもらえるような性教育の漫画を描こうと思い、独学ながらまとめています」
最初に性教育の漫画を描こうと思ったのは、4歳女児のお母さんが娘さんの性被害に声を上げているツイートを見たからだと話します。
「その事件は同じ保育園の4歳男児からの加害で、何日にも渡り出血が止まらないなど、とても生々しく悲惨で『加害児にも被害児にも、更にいえば先生にも幼児期からの性教育の意識が浸透していれば防げたのでは…?』と悔しく思い、幼児期からの性教育漫画を描き始めたのです」
「加害児も被害児も『性教育がされていない被害者』と言えるのではないかと私は感じます」
夫婦の間で危機感に温度差がある家庭も。
「性加害の話になると、『想像でしょ?』『考えすぎ』『大袈裟』などと真剣に取り合ってもらえないことも多いです。そんな時は実際の性犯罪や間接的性加害の実態がわかる物を提示しながら、共に対策を考えることが一番スムーズに話ができると私は思います」
ですが、性犯罪ニュースの詳細を相手に読んでもらうのは実はとてもハードルが高いのではないかとも話します。
だからこそ、何年何月何日に、場所、犯罪手口、加害者年齢と被害者年齢だけをまとめて何件か並べた文章を渡しながら話したりすると危険意識が高まるのでは、と言います。
「仮定のことを話すより、外部のソースを元に対策を考えるほうが響く方が多いので、まずは当事者意識を持ってもらうことからだと思います。日頃から性犯罪に関わらずけがや事故などを見かけた時にも、こんな危ないニュースがあった、我が家はこういうふうに対策しようね、と話せるようにしておくといいですね」
「現実に起きている事柄から目を逸らさず、起きる前や起きた後の対策を、精神面を含めて日頃から考えておくことが大事だと思います」