「相手の心に届く言葉で伝えたい」。4歳の娘さんが教えてくれたことを育児漫画に綴ったワケ。

    「隣にいる誰かと丁寧に向き合うことについて、考えるきっかけになってくれたらいいなと思います」

    娘さんが教えてくれた「皆の本当の気持ち」に注目が集まっています。

    それぞれが思っている「褒めてほしい」ところや、「呼ばれたい名前」。

    幼稚園に通う、4歳の娘さんから気づいたことを4枚の育児漫画に綴ったツイートがあります。

    物語はお母さんに「ほんとうにカッコいい」と伝えるところから始まりますーー。

    ある朝支度をしていると、そばに来た長女。

    今まで「かわいい」ということが多かったのに、「かっこいい」と言うようになった。

    人の褒め方をきいてみると、年上の子を呼び捨てしていた。

    それぞれの呼んでほしい名前や、褒めてほしいところを知ることで優しさが、循環していくのではないか。

    BuzzFeedは作者でイラストレーター兼漫画家のさざなみさんに話を聞きました。

    おしゃれが好きな娘さんで、これまでも新しい服を着ているときには必ず「かわいい!」と褒めてくれていたといいます。

    でも「かわいい」という褒め言葉はどうも気恥ずかしく感じていたと話し、素直に受け止めきれずにいたと語ります。

    「今回初めて「かっこいい」と言われたとき、すぐにすんなり『ありがとう!』と言えました。私が喜ぶ言葉でほめてくれたことをとても嬉しく思ったので、ぜひ漫画にしておこうと考えました」

    娘さんが通う幼稚園ではお友達同士での絵や手紙のプレゼントが流行っているといいます。そこから「みんながなんて呼ばれたいのか」という問いが出てきたそう。

    「手紙には〇〇ちゃんへ、〇〇くんへ、と宛名を書きます。長女は、かわいいものが好きな子には手紙をハートに折ったり、かっこいいのが好きな子には剣の形にしたり…お友達それぞれにカスタムを楽しんでいます」

    現在5万9千以上のいいねを集め、リプライでは「お友達それぞれの喜ぶことを尋ねて、忘れずにお友達それぞれに声を掛ける。大人でもなかなかできないことだと思います」「聞いてみないとわからない、その通りですね」などの声が寄せられています。

    反響に「娘の考え方である、相手の心に届く言葉で伝えたい、というのを、素敵な考え方だと感じてくださる方が多くて、私も同じように感じていたので嬉しく思っています」とコメントしてくれました。

    子育てを始めてから、本当に日々、ハッとさせられることばかりだと明かします。

    「例えば、言葉についてです。自分が普段何気なく使っている言葉、そのひとつひとつが、子供にとっては初めての概念だということをよく考えます」

    「私が『ちゃんと座ってね』と言っても、子どもは『ちゃんと』がどんな状態を指すのか分かりません。『おへそを前に向けて』『足を床につけて』と具体的に言わなきゃいけないんだ、という気づきがあります」

    「また、子どもが危ないものを持っているときに『貸して』と言って物を取り上げたが、返す予定がないなら『ちょうだい』と言うべきだった…という気づきなどです」

    「児童館などで、お友達が『貸して』と言ってきたときに絶対に嫌だと拒否した娘。あとでよく聞いてみると、渡したら二度と返してもらえないと考えているようでした。その勘違いを作ったのは『貸して!』と言って物を取り上げた私だったのです」

    最後に漫画を通して伝えたいことを聞いてみました。

    「長女の話を聞いて、自分をどう呼んで欲しいか、どう褒めて欲しいか、の回答に、意外なほど『本当の気持ち』が表れることに気づきました。聞いてみるまで思いもしなかった、その人の本当の気持ち。隣にいる誰かと丁寧に向き合うことについて、考えるきっかけになってくれたらいいなと思います」