
これまで「アジの三枚おろし→なめろうとアジフライ」や「真鯛の三枚おろし→あら汁と鯛めし」をつくってみた料理初心者記者が、今回はこれにチャレンジします。
イカです。

これは「スルメイカ」というイカです。
まるごとのイカは触ったことすらありませんが、本当にこれを料理できるのでしょうか。
でも料理の先生を呼んであるのでたぶん大丈夫です。
フードコーディネーター高橋ゆいさんです。

料理のプロの方です。実はアジと真鯛に続く同日「3本撮り」のため、お互いにやや疲れが見えます。
それではまずは先生のお手本を見ていきましょう。
1. 頭のほうに指を突っ込んで胴体と頭を切り離す。

これからイカの三角帽子の部分を「胴体」、目とゲソがついてる部分を「頭」と呼びます。
指を胴体に入れて、ぐるりと動かすと、頭とのつながりの繊維のようなものが切れるそうです。
ぐりぐりと動かしています。
そして引っ張るとすぽっと取れた。




さらに指でぬるぬるした塊を取り除きます。

2. 胴体の部分についてる骨を取る。

この部分に細長い骨があります。

触ったらわかるので、指でつかんで引っ張るとスルスルと抜けます。



さらにこれも指で触ったらわかるのですが、この入り口付近に小さな硬い骨があります。

ここで初めて包丁の出番です。骨を取り除きましょう。

3. ワタを取り出す。

ワタというのは肝のこと。頭の上のほうに黄色がかった細長い塊が付いてます。あとで食べるので取っておきましょう。
取り方は、指でつかんで引っ張る。


注意点としてはイカスミが詰まっている「墨袋」と間違わないようにしましょう。
墨袋を傷つけると黒いスミが飛び出してくるので流しの上でやるといいです。
4. くちばしを取る。

ゲソの真ん中にイカの「くちばし」があります。ここから餌を食べるらしいです。
裏側からぎゅーっと上に押し出すと、黒く尖ったくちばしが取れます。

終わったらイカゲソを2本ずつに切っておきます。
ここまでがスルメイカの解体と下処理。ほとんど包丁を使わないので簡単そうではありますが、どうでしょうか。

料理初心者の記者が初めてのイカ解体に挑戦です。

イカの胴体に指をつっこんで、内蔵を傷つけないように周囲をぐりぐりとひっかき回す。

指を入れるとわかります。頭と胴体が何箇所かでつながっています。

そこを指で断ち切ると、するーっと出てきます。

次は細長い骨です。硬いモノを指でつかんで引っ張ると出てきました。


次に小骨を取り除きます。手順さえ知っていれば簡単にできます。

ゲソのぬめりを洗いながらくちばしを取り除きます。

肝を取り出して、ゲソを切り分けて完成。

できた!イカの解体ができました。包丁をほぼ使わないのでアジや真鯛に比べたら楽にできます。
ここから先は料理に移ります。今回作るのは「イカゲソとワタのホイル焼き」と「屋台風イカ焼き」です。
料理1. イカゲソとワタのホイル焼きをつくる

材料:イカゲソ 1杯分、イカワタ 1杯分、しょうゆ 大さじ2、みりん 大さじ1、酒 大さじ1、青ねぎ(小口切り)適量、七味唐辛子 お好みで。レシピは最後にまとめてあります。
まずは取り出したイカワタに切れ込みを入れます。

そしたら小皿に中身を絞り出す。

絵が汚いけど、これが大事な作業なんです。

イカの肝がたくさん取れました。

ここにしょうゆ、みりん、酒を入れて混ぜ合わせます。

大きめに切ったアルミホイルにイカゲソをのせ、さっきのイカワタをかけて包みます。



フライパンに入れ、蓋を閉めて中火にかけます。

ホイルがふくらんできたら火を止めます。

ホイルを開いて、イカゲソに火が通っていたら、完成!すでにめっちゃいい香りがします!

料理2. 屋台風イカ焼きをつくる。

材料:イカ(胴の部分)1杯、しょうゆ 大さじ2、酒 大さじ2、バター 20g、七味唐辛子 お好みで。レシピは最後にまとめてあります。
イカはよく洗って水分を拭き、胴に1cm間隔で横に切り込みを入れる。これ大事です。この切り込みがあとで見た目にすごい効果を発揮しますので忘れずに。

フライパンにバターの半量を入れて弱火で熱し、バターが溶けたらイカの切り込みを下にして1分ほど焼きます。

うら返して酒をふりかけます。ほら見てください。あの切り込みがめちゃくちゃおいしそうになっていますね。

そして蓋をして1分ほど蒸し焼きにします。

イカに火が通ってふっくらとしたら蓋を開けてしょうゆを加えます。

あとは水分が飛ぶまで絡めながら焼く。

火を止めて残りのバターを加え、余熱で溶かすと……
完成!お好みで七味唐辛子をかけていただきます。

パンパンにふくらんだイカがおいしそう。食べてみるとぷりっぷりで最高でした。バターしょうゆの味がビールに合います。
そしてイカゲソとワタのホイル焼きもすごいですね。

イカワタの風味が強烈で濃厚。これはお酒がとまりません。
あのスルメイカからこんなにおいしいおつまみが2品も作れてしまうなんてヤバくないですか。
イカってすごいですね。解体と下処理は魚に比べると簡単だし、調理もそんなに難しくありません。ぜひチャレンジしてみてください。

最後にレシピをまとめておきます。
屋台風イカ焼き
1人分
材料:
イカ(胴の部分)1杯
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ2
バター 20g
七味唐辛子 お好みで
作り方:
イカはよく洗って水分を拭き、胴に1cm間隔で切り込みを入れる。
フライパンにバターの半量を入れて弱火で熱し、バターが溶けたらイカの切り込みを下にして1分ほど焼く。
うら返して酒をふりかけ、蓋をして1分ほど蒸し焼きにする。
イカに火が通ってふっくらとしたら蓋を開けてしょうゆを加え、水分が飛ぶまで絡めながら焼く。
火を止めて残りのバターを加え、余熱で溶かす。完成!お好みで七味唐辛子をかけていただく。
ポイント:
・バターは焦げやすいので冷たいフライパンに入れることと、追いバターをすることで香りがより引き立つ。
・加熱しすぎると固くなるので、皮の色が変わったタイミングをよく見る。
イカゲソとワタのホイル焼き
1人分
材料:
イカゲソ 1杯分
イカワタ 1杯分
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
青ねぎ(小口切り)適量
七味唐辛子 お好みで
作り方:
イカゲソは2本ずつに切る。
イカワタは袋から取り出し、しょうゆ、みりん、酒と混ぜ合わせる。
大きめに切ったアルミホイルにイカゲソをのせ、(2) をかけて包み、フライパンに入れる。
蓋を閉めて中火にかけ、ホイルがふくらんできたら火を止める。
ホイルを開いて、イカに火が通っていたら、完成!青ねぎと七味唐辛子をかけていただく。
レシピ考案:高橋ゆい(@takahashiyui25)
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