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ヤジ飛ばした穴見議員、衆院厚労委員長が詫び状を送付

公式ウェブサイトで公表した文面から少し変更している。

参考人として受動喫煙対策を訴えた肺がん患者に、自民党の穴見陽一衆院議員が衆院厚生労働委員会でヤジを飛ばした問題で、参考人として呼ばれたがん患者らは25日、穴見議員と高鳥修一・厚労委員長から送られた詫び状を受け取った。

穴見議員は21日に公式ウェブサイトなどで公表していた文面から、「喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです」などの批判を浴びた部分を削除し、文面を変更したものを送付していた。

高鳥委員長は「委員に不適切な発言がありましたことにつきまして、心より深くお詫びを申し上げます」と全面的に謝罪した。

「不快な思いを与えたとすれば」「喫煙者を差別すべきではない」が削除

詫び状は、高鳥委員長の手紙に、穴見議員の詫び状を同封する形で5人の参考人全員に送られた。

日付や消印はヤジ問題をBuzzFeed Japan Medicalが報道し、穴見議員が謝罪文を公表した6月21日付けとなっていた。

参考人の一人として出席していた全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介さんのもとに届いた手紙によると、穴見議員の詫び状は、ウェブサイトなどで公表済みの文面から、批判された部分を変更した内容になっていた。

21日に公表された文面では、

「まずは参考人の方はもとより、ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます」

となっていた部分が、

「この度の私の言動によって参考人の皆様には不快な思いを与えてしまいました。心からの反省と共に深くお詫び申し上げます」

と、ヤジを飛ばされた側の受け止め方の問題ではなく、加害行為を認め、謝罪する形に変更された。

また、「もちろん、参考人のご発言を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです。とはいえ、今後、十分に注意して参りたいと存じます」

と、参考人が喫煙者を差別したかのような表現で批判が集まっていた文面については、

「私といたしましては、参考人のご発言を妨害するような意図は全くありませんでしたが、今後十分に注意して参りたいと存じます」

に改められていた。

一方、高鳥委員長は、「参考人質疑に起きまして、一部委員の発言により、参考人の皆様が不快な思いをされたとの報道がございました。当該発言を行った委員から、皆様にお詫びを申し上げたいとの申し出がありましたので、お詫び状を同封いたします」と経緯を説明。

その上で、こう謝罪した。

「委員長といたしまして、当該委員を厳重に注意いたしましたことをご報告申し上げますとともに、委員に不適切な発言がありましたことにつきまして、心より深くお詫びを申し上げます」

「気持ちが変わったのか?」「直接の説明と謝罪を」

ヤジを受けた日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さんは、25日は一日中外出中でまだ詫び状を受け取っていないが、天野さんから内容の連絡を受け、こう話している。

「委員長は誠実にご対応いただいたと受け止めています。穴見議員の文面は『喫煙者を差別すべきではない』という部分がなくなり、お気持ちが変わったのかなと想像します。いずれにしても、国民の声を真摯に受け止め、法案審議が尽くされる国会であってほしいと願います」

天野さんは、「委員会からのお詫びは謹んでお受けしたい 」としながらも、「私はともかく、ヤジを言われた本人に対しては、やはり議員本人の言葉で直接説明とお詫びを伝えていただくのが望ましい。命と健康に関わる重要なテーマのこの法案に、議員の皆様は真摯に向き合う姿勢を見せていただきたい」と求めた。

安倍首相も「大変残念な発言だった」

また、時事通信などの報道によると、安倍首相は25日の参院予算委員会で、穴見議員のヤジ問題について、「大変残念な発言だった。がんに苦しむ患者の方の気持ちに寄り添った形で対応していかなければならない」と述べた。