コロナ禍の生活環境の変化で、自傷に苦しんでいる子どもたちが数多くいます。
国立成育医療研究センターの「コロナ×こども本部」はゴールデンウイークが始まるタイミングで、そんな子どもたちに向けた動画「しんどいって言えない—ひとりで自分を傷つけ癒しているあなたへ—」を公開しました。
先に作ったリーフレット「しんどいって言えない -ひとりで自分を傷つけ 癒しているあなたへ-」を、より子どもたちに届きやすいように動画バージョンにしました。
コロナ禍で家庭内のストレスが強まる中、家族とずっと一緒にいなければならないゴールデンウイークも、もしかしたらそんな子どもにとってはつらい時かもしれません。
悪いことではないし、今すぐやめなくちゃいけないわけじゃない
動画では、リーフレットに書かれている文章を、若い女性の声で静かに読み上げています。
言葉にできないしんどさを 心の内に抱えながら
少しでも楽になる方法を ひとりで探してきた出口の見えないトンネル
こっそり刃物で身体を切って 薬、お酒、煙草をやって
食べたものを無理やり吐いて 知らない誰かと身体を重ねて
生きている自分を なんとか確かめてきた
一瞬は楽になっても まだ出口は見えないし 光は遠すぎる
でも、暗闇のトンネルの中 きっと、きっと、ひとりじゃない
自傷することを決して「悪いこと」だとは責めません。いますぐ止めるよう呼びかけているわけでもありません。
死にたいほど苦しい今を生き延びるために、自傷は何かしら役に立っている可能性もあるのです。もしかしたらあなたの中に、そういう方法をあみだして生きのびようとする力が、あるのかもしれません。
こんな方法も試してみて
それでもつらいという思いがずっと消えないなら、こんな方法を試してみたらどうかとも呼びかけます。
傷つけた後には手当てをする。
傷つけたくなった時には別のことで気を紛らわしてみる。
気持ちがマシなときには自分のお守りになるものを探す。
そして、誰かに相談してみる。相談先リストも紹介しています。
コロナ×こども本部の児童精神科医、山口有紗さんは、こう呼びかけています。
言葉にならない苦しさを胸に抱えて、ひとりでふんばっている子どもたちを見てきました。
「しんどいって言えない」は、「しんどいけどつながれる」に変わるかもしれない。
そう思える人が、ひとりでも増えますように。しんどい誰かに優しくつながれる人が、ひとりでも増えますように。
あなたの・わたしの中のしんどさも、少しだけ、楽になりますように。