大人の体に近づくにつれて始まる「生理」。
毎月1週間前後、血が出てきますが、その最中や前後に、眠気やむくみ、にきび、イライラなどの症状と共に、ものすごくお腹が痛くなる人もいます。
これって我慢しなければいけないの?
サッコ先生(産婦人科医の高橋幸子先生)に聞いてみましょう。
生理痛は立派な病気です!我慢しないで
🐼:生理の時の痛みがひどいです。どこまで我慢したらいいですか?
サッコ先生:「生理は病気じゃないよ」って周りの人によく言われるから、お腹が痛くても保健室で寝かせてもらうこともできないと泣いていた女の子がいると聞いたことがあります。
生理は病気ではないけれど、「生理痛」は立派な病気です。「月経困難症」という病名もあって、病院でお医者さんに相談したら、治療してくれますよ。
生理の痛みは絶対に我慢する必要はありません。痛くなり始めたら、すぐに痛み止めを飲みましょう。
痛みに限らず症状がつらい時はゆっくり休んで、体を大切にしてくださいね。
痛み止め、ためらわずに早めに飲んで
🐼:「痛み止めを飲むと癖になる」と止められています。
サッコ先生:不思議なことですが、痛み止めを飲ませたがらない親がいるのですね。
「若い頃から痛み止めを使っていたら、大人になったときに効かなくなる」と言われて、今まで一度も飲んだことがないという女子学生がいました。毎月、保健室に来てベッドで寝ているのですが、我慢する必要はないのにと思います。
むしろ社会に出る前に痛みに対処できるようになっておいた方がいいです。
痛みは毎月、血としてはがれ落ちる子宮の内膜から、「プロスタグランジン」という成分が作られて、それが全身を回って、お腹や頭を痛くするのです。
痛み止めはその成分を作るのを止める作用があります。だから「痛みが酷くなってもう我慢できない!」時は、既にこの成分がいっぱい出ている状態です。
だから痛みがひどくなる前の、ちょっと痛くなり始めた頃に飲んだ方が、強い痛みは抑えられます。さっさと飲んだ方がいいですよ。市販の痛み止めでOK。「生理痛に効く」などと書いてありますよね。
病院に行った方がいい生理痛って?
🐼:病院で治療をした方がいい生理痛はどんなものなのですか?
サッコ先生:月経困難症には、病気がある「器質性月経困難症」と、病気がない「機能性月経困難症」というものがあります。その区別は自分でつかないので、一度は病院にいってみるといいですね。
「器質性」の方は、「子宮内膜症」とか「子宮筋腫」など子宮になんらかの異常がある場合のものです。こちらはピルというホルモン剤を使った方がいいです。痛みだけでなく、病気の進行を抑えることができます。
子宮内膜症の特徴としては、「年々、悪化していく痛み」があります。小学校よりも中学校、中学校よりも高校と年齢が上がるにつれ痛みが強くなっていくようなら、その可能性があります。産婦人科にいってみましょう。
そのままにしておくと、将来、赤ちゃんが欲しくなった時に、おなかの中が妊娠しづらい状態になる場合があります。
「機能性」の方は、検査でわかるような明らかな異常はありません。その場合でも「痛み」そのものは治療の対象になります。こちらもピルや痛み止めを上手に使う方法を身につけることが必要になります。
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