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HPVワクチンのリーフレット文言を改訂 がん予防効果を追加し、「接種をおすすめするお知らせをお送りするのではなく」は削除

HPVワクチンの積極的勧奨が4月から本格化するのを前に、厚労省の検討会はリーフレットの内容を更新しました。子宮頸がんを防ぐ効果が書き込まれた他、「接種をおすすめするお知らせをお送りするのではなく」という文言が削除されました。

厚生労働省の副反応検討部会は2月18日、HPVワクチンについて情報提供するリーフレットについて、4月から自治体の積極的勧奨の本格化に向けて、更新する内容を議論した。

頸がんを予防する効果があることが新たに書き加えられ、接種させたいのかさせたくないのかわからないと批判を受けてきた「接種をおすすめするお知らせをお送りするのではなく」という文言は削除される。

2013年6月に積極的勧奨が差し控えられ、8年8ヶ月が経ってやっと、国が本来のがん予防効果を公式に認めた上で、積極的に勧めるワクチンとして情報提供されることになる。

積極的勧奨再開や子宮頸がんを防ぐデータが出てきたことで内容を更新

HPVワクチンのリーフレットは2020年10月、厚労省から自治体に対象者に個別にお知らせを送るよう促す通知が出たのに合わせ、「わかりやすい説明を」と新しいバージョンが作られた

定期接種の対象者である小学校6年~高校1年の女子と保護者向けのもの(概要版、詳細版)、接種後の女子と保護者向けのもの、医療従事者向けのものが作られている。

今回は積極的勧奨の再開が決まったこと、本来の目的である浸潤子宮頸がんを防ぐ効果が大規模なデータとして世界各国から出ていることなどを踏まえ、内容が更新された。

「接種をおすすめするお知らせをお送りするのではなく」は削除

これまでのリーフレットで「がんそのものを予防する効果を実証する研究も進められています」と書かれていたところは、スウェーデンイギリスから浸潤子宮頸がんを防ぐ効果を示す報告が出てきたことから、こう書き換えられた。

HPVワクチンで、がんになる手前の状態(前がん病変)が減るとともに、がんそのものを予防する効果があることも分かってきています。

また、これまで積極的勧奨が差し控えられていたことから、以下のような勧めているのか勧めていないのか、わかりにくい表現がリーフレットの最後に目立つ形で書かれていた。

このご案内は、小学校6年~高校1年相当の女の子やその保護者の方に、
子宮けいがんやHPVワクチンについて知っていただくためのものです。
接種をおすすめするお知らせをお送りするのではなく、
希望される方が接種を受けられるよう、みなさまに情報をお届けしています。

昨年11月に積極的勧奨を再開するよう厚労省から自治体に通知が出されたため、この部分は削除された。

また、現在、定期接種化が検討されている9価ワクチンについても、詳細版には以下の文言が新たに盛り込まれた。

「新しいHPVワクチンであるシルガード®9については、現在、専門家により公費による接種の対象とするか検討中です。
最新の情報は、厚生労働省ホームページをご覧ください。
厚生労働省「9価HPVワクチンについて」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_9-valentHPVvaccine.html


改訂が加えられた2022年版は2月中に公表される予定だ。